【選手権代表校】玉野光南|世界を驚かせた劇的決勝ボレー弾! その伏線となり得た戦術的柔軟性とスピードアタックで全国に衝撃を

2015年11月05日 安藤隆人

スタメンは年間15人以上の選手でローテーションを組む。

玉野光南(岡山)
所在地:岡山県玉野市東七区244
創 立:1984年 創 部:1984年
主なOB:苔口卓也(富山)

 玉野光南が伝統的に受け継いできた攻撃スタイルが、『スピードアタック』だ。
 
 前線に決定力のあるストライカーと、高速アタッカーを置き、容赦ないサイドアタックからゴールを陥れる。今年のチームもこの伝統的なスタイルをしっかりと継承したチームとなっている。
 
 センターフォワードに君臨するのは、抜群の決定力を誇るFW土居晃貴。その後方には裏への飛び出しが上手い桑田大樹が構え、武器となっている両ワイドには、県予選決勝の作陽戦では左に片辺滉己、右に西崎涼司という、ボールが収まり安定感があるふたりを置いたが、「スタメンは年間を通じて15人以上の選手でローテーションを組みながら戦ってきた。特にサイドは面白い選手が居る」と、多士済々だ。
 
 高速ドリブルが武器の薮井樹、ロングスローと裏への飛び出しを持ち味とする新地猛、スペースに入り込んでボールを受けるのが上手い片山知紀、緑川直生と、相手の状況、試合状況に応じてセレクトできる人材を誇る。
 
 そして、今年の生命線となっているのが、塩田奨馬と岩本大輝のダブルボランチだ。足下の技術とパスセンスがある塩田奨と、視野が広くカバーリング能力に長けた岩本。戦術理解度の高いふたりが攻守の舵を握る。
 
「ボールに対し、どちらがアプローチに行くのか、どちらがバランスを取るのかは、常に相手とボール、お互いの位置を見ながら判断をしている」と塩田奨が語るように、縦関係になったり、フラットにしてブロックを作ったり、互いの状況を確認しながら堅実な連係を見せる。
 
 さらに塩田晃大と西中竜斗のCBコンビとの連係もよく、ボランチとCBでポジションを入れ替えながら、対応できるのも大きな強みだ。

次ページアクセントを生み出す選手交代で流れを引き寄せ、あの「衝撃弾」へ。

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