“日本のジルー”に? 報徳学園のFW坂元一渚璃がいわきFCに加入内定!「いたね。見つけたね」クラブが即座に獲得オファーを出したワケ

2022年12月13日 森田将義

大型ながら50メートルを6秒1で走る

来季からJ2のいわきFCへの加入内定が決まった坂元。184センチながらスピードもあり、前線で動き出しを繰り返す。写真:森田将義

「日本のジルーになるかもしれない逸材を獲得できたのを、非常に喜ばしく思っています」
 
 リリースに併せて行なわれた報徳学園高のFW坂元一渚璃(3年)の加入内定会見が12月12日に行なわれ、いわきFCの大倉智社長はそう口にした。
 
 現在開催中のワールドカップで活躍するフランス代表のストライカーと姿を重ねる理由はよく分かる。184センチの大型ながら、持ち味は50メートルを6秒1で走るスピード。ゴール前で何度も動き直しを繰り返し、積極的にゴールへ迫るのが特長だ。
 
 今でこそ高身長が目を惹くが、南ひばりガ丘中時代は小柄で足もとの技術に長けた選手。だが、中3に入ってから急激に伸長が伸び、「入学する時に誰か分からないぐらい大きい子になっていた」(高田秀一監督)。身体の成長とともに、中学時代から足を速くするために行なってきた坂道ダッシュの成果もあり、高校入学後にはスピードも急激に速くなった。
 
 高校3年間では「急激に大きくなり、身体の使い方など難しい時期が来ると思っていたので、ある程度デリケートに育てなければいけないと思っていた」と振り返る高田監督の下、心身ともに成長。ポストプレーや競り合いでも存在感を発揮できるようになっていった。
 
「彼はとにかく舞台が大きければ大きいほど結果を出す選手」(高田監督)なのも坂元の特長だ。「自信が付いた」と振り返る昨年11月のプリンスリーグ関西のプレーオフでは、チームを昇格に導く決勝点をマーク。Jリーグのスカウトが多数訪れた興國高との試合でもゴールネットを揺らし、徐々に知名度を上げていく。

 夏に福岡大の練習参加を経験した際、乾真寛監督に「大学でもフォワードは前からプレスをかけたり、求められる部分が非常に多い」と教わってからは、献身的な守備での貢献度も高まっていった。

"知る人ぞ知る選手"となった坂元の情報は、報徳学園のコーチが田村雄三SDと知り合いだったこともあって、いわきFCまで届き、7月下旬から3日間の日程で練習参加することになった。

 最終日に行なわれた大学生との練習試合では、45分の出場ながらも2得点を記録。試合後、田村SD、大倉社長、村主博正監督の3人で集まり、興奮しながら「いたね。見つけたね」という会話を交わしたという。

「我々としては伸びしろのある選手を獲るのがコンセプトなので、可能性があると思った」(大倉)ため、すぐさま獲得オファーを提出。「プロになりたいと思っていたので、自分がどこまでできるか挑戦したかった」と振り返る坂元はすぐさま返事を出した。
 

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