【U-22日本代表】エリア別序列考察/大混戦の2列目。関根の下剋上はなるか

2015年10月30日 小田智史(サッカーダイジェスト)

FW(2トップ)|2ゴールの浅野が、レギュラー奪取に大きく前進。

ハリルホジッチA代表監督も視察した鳥栖戦で、浅野は2ゴールの活躍。FWのレギュラー争いで一歩前進した。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 佐賀キャンプではこれまでベースとしてきた4-2-3-1ではなく、4-4-2を実戦2試合で採用。2トップは組み合わせによっては、一方がややポジションを下げ、セカンドストライカー(トップ下)的に動く形も見られた。

【U-22日本代表PHOTO】練習試合 対 鳥栖
 
 FWはこれまで、14年のチーム発足時から鈴木武蔵がファーストチョイスとして君臨してきたが、今季は新潟で出場機会を失い、移籍先の水戸でも故障で1か月以上実戦から離れており、エースの立場は揺らぎ始めている。
 
 そんななか、今回レギュラー奪取に向けてアピールに成功したのが浅野拓磨だ。左足に張りを覚えて10月27日の福岡大戦は回避したが、自ら「アピールの場」と位置付けた鳥栖戦では、2ゴールときっちり結果を残した。スピードは同世代でも群を抜くのに加え、クラブでは優勝争いを演じ、A代表も経験して勝負強さにも磨きがかかってきた。手倉森ジャパンの実績では鈴木に後れを取るとはいえ、今の勢いなら"下剋上"を起こしても不思議はないだろう。
 
 福岡大戦では1本目に前田直輝と中島翔哉(途中から鎌田大地)、2本目に荒野拓馬と金森健志、鳥栖戦では荒野と金森(途中から浅野と鎌田)が起用されたが、浅野以外でゴールという結果を残したのは鎌田だけ。ただ、「抜け目なくゴールに絡むプレーを示してくれた」(手倉森監督)と評価はされたが、序列を大きく覆すほどのインパクトではなかった。
 
 もっとも、「スタメンはいろんなバリエーションがある」という鳥栖戦後の手倉森監督のコメントから推察するに、スタメンを固定せず、対戦相手に合わせた"日替わりコンビ"も視野に入れているのだろう。鳥栖戦では「鳥栖を格上だと思って守備から入る」ゲームプランに合わせて、前線からのハイプレスが期待できる金森と荒野をスタートで使い、「上手くハマった」手応えがあったことを明かしている。欧州組の久保裕也を含め、どういった組み合わせで大会に臨むのか興味深い。
 
▼FWの主な序列
浅野拓磨(広島)                            スタメン候補       ↑
久保裕也(ヤングボーイズ)           スタメン候補       → ※未招集
鈴木武蔵(水戸)                            バックアッパー    ↓ ※未招集
中島翔哉(FC東京)                       バックアッパー    →
金森健志(福岡)                            バックアッパー    ↑
荒野拓馬(札幌)                            バックアッパー    ↑
鎌田大地(鳥栖)                            バックアッパー    ↑
前田直輝(松本)                            バックアッパー    ↓

次ページ2列目(サイドMF)|初招集の関根が急浮上。レギュラー争いはさらに熾烈に。

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