イングランド躍進のキーマン、ベリンガム&サカ。「多種多様なプレーができる」「見事に立ち直った」など元代表OBも絶賛【W杯】

2022年11月25日 田嶋コウスケ

「どんな選手になっていくか。本当に楽しみだ」

イランとの初戦で先制弾のベリンガム。「プレーの幅が広い」などファーディナンドも評価する。(C)Getty Images

「ポジティブなスタートを切ったことが重要だ。勝利こそが自信につながる。イラン戦は全ての選手が自分の役割を果たした。ゴールを奪うたびに、チームとして怖さが増した。本当に、本当に素晴らしいパフォーマンスだった」

 笑顔を見せながらそう語ったのは、元イングランド代表FWのアラン・シアラー氏である。カタール・ワールドカップのグループステージ(B組)初戦、イングランド代表はイラン代表に6-2で大勝。白星で発進した。英BBC放送で解説を務めたシアラー氏は自国代表を称賛し、次のように言葉をつないだ。

「ガレス・サウスゲイト監督の采配も良かった。4-2-3-1を選んだフォーメーションも正解で、チームが上手く機能した。選手交代もプラスに働いた。途中交代で出場したマーカス・ラッシュフォード、ジャック・グリーリッシュ、カラム・ウィルソンはいずれもゴールに絡んだ。前向きに評価できる内容だ」

 イングランドは、35分にMFジュード・ベリンガムのヘディングシュートで先制。それまでイランの分厚い守備ブロックに苦しみ、なかなか決定機を作れずにいたが、先制ゴールが転機となった。さらに2点を加点した前半終了の時点で、勝負はほぼ決着。後半に入っても手を緩めず、寄せの甘くなったイランを圧倒した。ブカヨ・サカ、ラッシュフォード、グリーリッシュがゴールを重ね、6-2で圧勝した。

 中継番組で、特に絶賛されていたのが、19歳の若さで先発フル出場したベリンガムである。4-2-3-1の「2」の位置で先発したセントラルMFは、ゴール前のスペースに滑り込み、難しい体勢からヘディングシュートを叩き込んだ。その他でも、中盤後方から攻撃を作ったり、バイタルエリアで危険な動きをしたりと、大車輪の活躍を見せた。
 
 そんなベリンガムについて、司会のガリー・リネカー氏が「ワールドカップの大舞台で、19歳の選手が先発しました。しかも今年6月に19歳になったばかりです。ただ、所属先のドルトムントではすでに大活躍しています。今シーズンはブンデスリーガ、チャンピオンズリーグ、FFBポカールの3大会で合計9ゴールを挙げています」と切り出すと、以前からベリンガムを高く評価しているリオ・ファーディナンド氏は次のように話した。

「中盤でのコントロールの仕方が非常に優れている。ペナルティエリア周辺にいても、あるいは中盤後方部からゲームを組み立てていても、彼は多種多様なプレーができる。通常、彼ぐらいの年齢なら『これもできるようにならないと、あれもやらなければ』と2~3年は考えてしまうもの。私も23~24歳になって、ようやく自分の得意、不得意が分かるようになった。

 でもベリンガムは違う。イラン戦でも様々な役割をこなした。しかも一つひとつの場面を見ても、似たような動きがない。つまり、プレーの幅が広いということだ。彼がどんな選手になっていくか。本当に楽しみだ」
 

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