前半は苦しい内容だったが
ドイツを相手に劇的な勝利を挙げた日本。この一勝の意味は大きい。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)
[カタール・ワールドカップ・グループステージ第1戦]日本 2-1 ドイツ/11月23日/ハリファ・インターナショナル・スタジアム
0-1で折り返した前半の内容を見て、まさか日本が逆転を果たせると感じた人は少なかっただろう。ポゼッション率では72パーセント対28パーセントとドイツに大きく上回られた。
序盤こそ効果的なカウンターでチャンスを作り、8分の決定機を前田大然がオフサイドにならずに仕留めていれば、ゲーム展開はまた違うものになっていたかもしれない。ただ、その後はドイツに押し込まれる苦しい時間が続き、33分にはPKで先制を許している。
それでも後半頭からの日本の4-2-3-1から3-4-2-1へのシステムチェンジが試合の流れを大きく変えた。
元々、4-2-3-1のシステムを組みながら、左SBのラウムがウイングのようなポジショニングを取るドイツは、3-2-5と言える形で攻撃を構築する。前に5枚の選手を並べるだけに日本の4バックとの嚙み合わせが悪く、最終ラインと中盤のギャップを突きながら中央とサイドに柔軟にポジショニングするムシアラとミュラーのマークも曖昧になりがちだった。
この状況において後半の日本は、3-4-2-1で守備をハメやすくし、尚且つ、1点ビハインドであったからこそ、前からの果敢なディフェンスでドイツのパス出しを制限することにも成功している。前半の日本は前から追い回すのではなくミドルゾーンに入った瞬間にプレスをかける戦い方を選択したが、徐々に押し込まれていた。
0-1で折り返した前半の内容を見て、まさか日本が逆転を果たせると感じた人は少なかっただろう。ポゼッション率では72パーセント対28パーセントとドイツに大きく上回られた。
序盤こそ効果的なカウンターでチャンスを作り、8分の決定機を前田大然がオフサイドにならずに仕留めていれば、ゲーム展開はまた違うものになっていたかもしれない。ただ、その後はドイツに押し込まれる苦しい時間が続き、33分にはPKで先制を許している。
それでも後半頭からの日本の4-2-3-1から3-4-2-1へのシステムチェンジが試合の流れを大きく変えた。
元々、4-2-3-1のシステムを組みながら、左SBのラウムがウイングのようなポジショニングを取るドイツは、3-2-5と言える形で攻撃を構築する。前に5枚の選手を並べるだけに日本の4バックとの嚙み合わせが悪く、最終ラインと中盤のギャップを突きながら中央とサイドに柔軟にポジショニングするムシアラとミュラーのマークも曖昧になりがちだった。
この状況において後半の日本は、3-4-2-1で守備をハメやすくし、尚且つ、1点ビハインドであったからこそ、前からの果敢なディフェンスでドイツのパス出しを制限することにも成功している。前半の日本は前から追い回すのではなくミドルゾーンに入った瞬間にプレスをかける戦い方を選択したが、徐々に押し込まれていた。
57分には左ウイングバックに三笘薫を投入するなどより前傾姿勢を強めたが、これまでの試合では見られなかった"攻撃的な3-4-2-1"は4日間、続けてきた非公開練習でドイツ対策、そしてビハインドの際の手として練ってきた形だったのだろう。
もっともここ数試合で3-4-2-1を使った意図は、あくまで試合を締めるものだった。後半の頭から採用するとは選手たちにも驚きはあったようだ。
三笘は「僕たち自身もここで3バックをやるとは思っていなかったですが、監督としてはその可能性を示唆していました。試合の終盤に変えることはありましたが、最初から3バックでいった経験はなかったので、ぶっつけ本番のところは正直ありました。その意味で、なかなか自分たちはツイているなと、そこで決断した監督が凄かったと思います」と振り返る。
それでも選手たちが迷いなくシステムチェンジにも対応し、戦えたのは4年間の積み重ねがあったからこそだろう。森保ジャパンとしての時間を共有し、何より選手たちのディスカッションを大切し、選手たちからの意見も尊重した指揮官のチーム作りが、大一番で奏功したと言えそうだ。
特に9月の欧州遠征からチーム内のディスカッションはより濃くなり、結束を固めていったように映る。
同点弾のシーンでも三笘からのパスを受けてシュート性のクロスを送り、堂安律のゴールをお膳立てした南野拓実は「(三笘)薫ならあそこで仕掛けてくれると思った」と語り、それぞれの相互理解があったからこそのゴールだと捉えられる。
それは決勝弾も同様で、大会前の負傷期間をともに過ごした板倉滉と浅野は、互いを信じ、板倉はロングフィードを送り、浅野は相手の裏へと走った。
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もっともここ数試合で3-4-2-1を使った意図は、あくまで試合を締めるものだった。後半の頭から採用するとは選手たちにも驚きはあったようだ。
三笘は「僕たち自身もここで3バックをやるとは思っていなかったですが、監督としてはその可能性を示唆していました。試合の終盤に変えることはありましたが、最初から3バックでいった経験はなかったので、ぶっつけ本番のところは正直ありました。その意味で、なかなか自分たちはツイているなと、そこで決断した監督が凄かったと思います」と振り返る。
それでも選手たちが迷いなくシステムチェンジにも対応し、戦えたのは4年間の積み重ねがあったからこそだろう。森保ジャパンとしての時間を共有し、何より選手たちのディスカッションを大切し、選手たちからの意見も尊重した指揮官のチーム作りが、大一番で奏功したと言えそうだ。
特に9月の欧州遠征からチーム内のディスカッションはより濃くなり、結束を固めていったように映る。
同点弾のシーンでも三笘からのパスを受けてシュート性のクロスを送り、堂安律のゴールをお膳立てした南野拓実は「(三笘)薫ならあそこで仕掛けてくれると思った」と語り、それぞれの相互理解があったからこそのゴールだと捉えられる。
それは決勝弾も同様で、大会前の負傷期間をともに過ごした板倉滉と浅野は、互いを信じ、板倉はロングフィードを送り、浅野は相手の裏へと走った。
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