ドイツ人記者たちが語った日本人選手への“思い入れ”。「原口はなぜいない? 彼よりも優れた選手が選出されたのか?」

2022年11月21日 中野吉之伴

「ムロヤはどうした?素晴らしいシーズンを戦っているよ」

ハノーファー番は原口(左)の落選に驚き、フランクフルト番は鎌田(右)とゲッツェの同僚対決を楽しみにしていた。(C)Getty Images

 先日行われたカタール・ワールドカップへ向けたドイツ代表メンバー発表の記者会見の場で、多くのドイツ人記者から声をかけられ、いろんな話をした。

 例えばフランクフルトの番記者がいた。開口一番に聞いてきたのは長谷部誠についてだ。

「ハセベは入っていないのか。彼はとても素晴らしい選手だ。今でもトップレベルだ。カマダは本当に優れたゲームメーカー。フランクフルトではゲッツェと二人で見事な連携を築いている。頼もしい選手だ」

 初参戦となったチャンピオンズでグループリーグを突破し、ブンデスリーガでも4位につけているフランクフルトへの評価はとても高い。その中心選手のマリオ・ゲッツェと鎌田大地がW杯で対戦する。フランクフルト記者にとってそれは何よりワクワクするテーマなのだ。
 

 ハノーファーの記者からはこうだ。最初に上がった名前は、久しく代表には招集されていない室屋成だった。

「ムロヤはどうした?彼は今季ハノーファーで素晴らしいシーズンを戦っているよ。攻撃だけではなくて守備もいい。攻撃面ではコンスタントに優れたプレーでアクセントを加えている。今までで一番いい。代表では若くないのか? 守備面で不安視されていた? 今季のプレーを見ているのかな?まあハノーファーは2部だけど。でもこれまでで一番いいパフォーマンスを見せているのは間違いないよ」

 続けて聞いてきたのは、元ハノーファーの原口元気の落選についてだ。

「ハラグチもいないんだろう?なぜなんだ?彼もハノーファーでプレーしていたからよく知っている。ムロヤもそうだけど『2部だからワールドカップのメンバーから外れる』というのなら少しはわかるんだけど。でもハラグチはウニオンで戦力としてプレーしている選手じゃないか。シュート精度にはまだ難があるけど、彼は本当に優れたスピリットとチームのためにプレーする好選手だよ。彼よりも優れた選手が選出されたということなのか?」

 ハノーファーでプレー歴のある日本人はかなり多い。そのあとも酒井宏樹、清武弘嗣、山口蛍の名前を挙げてはその当時の思い出話をし、最後には今季ハノーファーは昇格できるかのテーマになっていった。

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