【日本代表 26の肖像|浅野拓磨】カナダ戦で元気な姿を見せ、スタンバイOK。真骨頂の“勝負強さ”に期待は高まる

2022年11月20日 河治良幸

前回のロシア大会は失意の選外

17日のカナダ戦は1トップで先発し、相馬の先制弾に関与。守備も精力的にこなし、怪我の不安を払拭するプレーを披露した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 いよいよ幕を開けるカタール・ワールドカップ。森保一監督が率いる日本代表は、いかなる戦いを見せるか。ベスト8以上を目ざすサムライブルー、26の肖像。今回はFW浅野拓磨(ボーフム)だ。

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 四日市中央工高を卒業後、2013年に広島に加入した俊足FWは、元日本代表FWの佐藤寿人に挑みながら、多くのものを学んだ。3年目にレギュラーを掴むと、16年に南野拓実らとリオ五輪に出場。その年の夏にプレミアリーグのアーセナルからオファーが届くも、労働許可が降りずにドイツ1部のシュツットガルトで経験を積むことになった。

 日本代表では15年にデビュー。当時のハリルジャパンで台頭すると、ロシア・ワールドカップのアジア最終予選で本大会出場につながる決勝ゴールを決めるなど、主力メンバーとして期待されていた。

 だが、本大会を前にハリルホジッチ監督が解任。さらにシュツットガルトで難しい立場にあった浅野は、西野朗監督が選ぶ最終メンバーの選外に。非常に悔しい経験だったことは確かだ。
 
 その時は頭が真っ白になったというが、それでもバックアップ兼サポートメンバーという立場を受け入れて、オーストリアでの事前キャンプからロシアに入り、初戦のコロンビア戦まで見届けた。

 そこから4年半、浅野はカタールW杯を目標に定めて、欧州の地で個を磨いてきた。森保ジャパンの最初の大会となったアジアカップのメンバーに選ばれながら怪我で辞退となったが、セルビアのパルチザンで結果を残すと、昨シーズンから加入したドイツ1部のボーフムでは主にサイドアタッカーとして奮闘する。

 日本代表では"大迫依存"とも言われた状況で、サイドだけでなく1トップにもトライしてきた。しかし、やはり大仕事は左サイドから。アジア最終予選、ホームのオーストラリア戦だった。すでに2敗を喫して、もう後がないと言われた一戦で、左の仕掛けから、記録は相手のオウンゴールとなったが、勝利を呼び込む一撃で日本を勝利に導いた。
 

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