マンツーマンの対応、質の低いファウルの改善が重要。カナダ戦の慎重な守備は、ドイツ戦につながるイメージが明確に

2022年11月19日 清水英斗

マンツーマンは1対1の守備。噛み合わせをズラされると弱い

CKの守備で日本はマンツーマンを採用。その構造的弱点を突かれないような対策が必要だ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[国際親善試合]日本1-2カナダ/11月17日/アルマクトゥーム・スタジアム(UAE)

 17日に行なわれたカタール・ワールドカップ直前、最後の強化試合にあたるカナダ戦は、1-2で日本が惜しくも敗れた。

 8分に柴崎岳のピンポイント浮き球パスから、相馬勇紀が先制ゴールを挙げた日本だが、21分にCKからカナダに同点ゴールを許す。そこから1-1がしばらく続いた後、日本は後半のアディショナルタイムにPKを献上し、逆転負けを喫した。

 2つの失点は気になる形だった。森保ジャパン、というより日本代表はずっとマンツーマンでCKの守備を行なっているが、カナダは酒井宏樹がマークする相手が板倉滉をブロックし、板倉の相手をフリーにして、そこからのヘディングで失点につながった。

 マンツーマンは1対1の守備なので、その噛み合わせをズラされると弱い。日本も瞬時に板倉と酒井がマークを交換することで対応したが、どうしても受け渡す際には瞬間的に、相手からマークが離れてしまう。こうなるとマンツーマンの良さは半減する。
 
 VARが導入された昨今のサッカーでは、ゴール前のぶつかり合いによる細かいファウルが見逃されないため、マンツーマンで付き続けるリスクが増大した。そのためJリーグを含めて世界的にはゾーンで守るチームが増えているが、一方で日本代表はマンツーマンのまま変化はない。まもなく始まるワールドカップでも、マンツーマンの構造的弱点を突かれる恐れはある。

 今回の日本がグループステージで戦う3チームの特徴を考えれば、カナダほど1対1の空中戦でグイグイ押してくるわけではなさそうだが、場合によってはニアサイドで跳ね返すストーン役を増やしたり、担当を変えたりと、対策が必要かもしれない。

 また、もう一つの視点として、ブロックを仕掛けてくる相手はボールにチャレンジしていないので、不当なコンタクトであると主張することも必要だ。つまり、強くぶつかられたら、しっかり倒れてファウルをもらう。それには予測が必要なので、相手の意図を見極めて対応しなければならない。

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