【ワールドサッカー注目コメント集】バイエルンを下し、自信を深めるヴェンゲル――パリSGとR・マドリーの指揮官が繰り広げた舌戦

2015年10月22日 内藤秀明

グアルディオラ「これがフットボール」

守備的に振る舞うアーセナルと対照に、バイエルンは攻撃的にものの、両者の対戦は前者に軍配が上がった。 (C) Getty Images

 10月20日、21日にチャンピオンズ・リーグのグループステージ第3節が行なわれた。
 
 まさかの連敗スタートで決勝トーナメント進出に黄信号が灯ったアーセナルとは対照的に、順当に白星を重ね、首位を走るバイエルンという注目の一戦は、ホームのアーセナルが2-0で完勝。大方の予想を覆す90分となった。
 
 まずは、大一番で勝利を収めたアーセナルの面々と、完封負けを喫するも前を向くジョゼップ・グアルディオラのコメントから紹介しよう。
 
――◆――◆――
 
アーセン・ヴェンゲル(アーセナル監督)
「絶対に勝利が必要だった。高いインテンシティーと規律を守ることで、それを成し遂げられた。試合は2つのトップチームによる、最高峰のレベルだったと思うね。バイエルンは我々をポゼッションで上回っていたけど、ファイナルサードでタイトに対応できた。終盤は、ロングボールを使った攻撃で相手を苦しめられたはずだ」
 
(好セーブを連発したチェフについては――)
「(ペトル・)チェフはとても重要な選手だ。彼のおかげで均衡状態が保たれた。それは(マヌエル・)ノイアーにも言えることだね。今日は本当にトップレベルで、ワールドクラスのGKがふたりもプレーしていた。彼らは両チームにとって不可欠な存在だったと思う」
 
(途中出場で決勝ゴールを決めたオリビエ・ジルーに関して――)
「彼のことは信頼しているよ。(決めたのは)簡単ではない状況だったからね。ここ2週間はベストの状態に戻ってきているように見える。いい精神状態が保たれ、プレーに集中しているし、自らが勝者であることを証明しているね。あと、チームが機能していない時、ジルーは良いオプションになる。正しく起用しないといけないね」
 
ペトル・チェフ(アーセナル/チェコ代表)
「全員がきちんと役割を全うしていたね。(攻撃的なチームを相手に)全員が常に守備を意識していたし、僕もそれを助けることができたと思う。パフォーマンスには満足しているよ」
 
「あの早い時間帯にチアゴ(・アルカンタラ)に決められていたら、バイエルンに主導権を握られていたはずだし、(ロベルト・)レバンドフスキのシュートをセーブできたのも嬉しかったね。先制される可能性もあったけど、それを防いだ数分後に、僕らが先制点を奪うことができた。だから、あのセーブは勝敗の分かれ目だったと思う」
 
ジョゼップ・グアルディオラ(バイエルン監督)
「自分のチームを誇りに思うよ。勝ちたかったから、ハッピーではないのは確かだ。けど選手たちは勇気を持って戦い、試合を支配した。アウェーでここまでのチャンスを作るとは誰も予想できなかったはずだ。我々は自分たちの個性を存分に発揮し、アーセナルを相手に攻撃的に振る舞った。今は彼らに『おめでとう』と言うことしかできないね」
 
(セットプレーでノイアーの飛び出しから失点した場面について――)
「前半、彼は素晴らしいセーブを見せてくれたし、私は選手の決断を批判したりはしない。もしそれが正しくても、間違っていてもだ。今日は彼のせいで負けたわけではないし、これがフットボールだ。彼は失点のシーンで"飛び出す"という判断をした。それだけだ」

次ページブランvsベニテス。けん制し合った試合の行方は――。

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