【日本代表 26の肖像|相馬勇紀】E-1から滑り込み。「薫とは違ったタイプ」のドリブラーは名古屋の先輩のようにW杯で大化けなるか

2022年11月14日 元川悦子

大学時代から切磋琢磨してきた三笘はライバルであり…

逆転でW杯行きを掴んだ相馬。カタールでさらなるドラマを描けるか。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 いよいよ開幕が迫るカタール・ワールドカップ。森保一監督が率いる日本代表は、いかなる戦いを見せるか。ベスト8以上を目ざすサムライブルー、26の肖像。今回はMF相馬勇紀(名古屋グランパス)だ。

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「僕のドリブルは(三笘)薫とはまた違ったタイプだと思うんで、薫のプレーはリスペクトしながら、試合に出ることができたら、自分の良さを出していけたらなって思っています」
 
 今年7月のE-1選手権でのMVP獲得をきっかけに、カタール・ワールドカップ(W杯)の日本代表メンバー26人に滑り込んだ相馬勇紀。彼にとって、大学時代から切磋琢磨してきた三笘は、常にライバルであり、最高の仲間だ。
 
 2021年夏の東京五輪では、三笘が負傷で出遅れたこともあり、相馬が6試合中3試合に先発。だが、先に欧州へ赴いた三笘に差をつけられる格好となった。現時点での序列も三笘のほうが上なのは確かだが、左右のサイドをこなせて、迷わずゴールへ向かっていける相馬は、また違った武器を持つ選手。ゴール前の得点感覚やプレースキックの精度を含めて、本番では新たなジョーカーとして期待されるところだ。
 
 三菱養和SCユースから早稲田大に進んだ相馬が、森保一監督率いるU-22日本代表に初招集されたのは、2019年のトゥーロン国際大会(現モーリスリベロ・トーナメント)。

「特にオンの仕掛けができる選手。自分がゴールに向かっていく、決める部分、パスを配球することもできる選手」と森保監督は高評価。それに応えるかのうように、3試合出場1ゴールとチームの準優勝に貢献。ベストイレブンにも選出されるという華々しい国際舞台デビューを飾った。

 相馬は大学4年だった2018年に特別指定で名古屋の試合に出場。翌年から正式にプロキャリアをスタートさせたが、この時点ではまだ出たり出なかったりで、夏以降は鹿島アントラーズにレンタルされた。

 そんな状況でも指揮官は彼のインパクトが大きかったのか、同年12月のE-1選手権であえて抜擢。A代表デビューさせた。そこでも相馬は強烈な打開力でチームの流れを変える仕事を披露。本番に強いところをしっかりとアピールしてみせた。
【PHOTO】ついに決定!カタール・ワールドカップに挑む日本代表26人を一挙紹介!

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