【日本代表 26の肖像|久保建英】「人は3か月もあれば変われる」。有言実行で立場を変えた21歳レフティ。歴史的リベンジの急先鋒に

2022年11月14日 元川悦子

目をギラつかせ、巻き返しを誓う

9月のアメリカ戦で好アピールした久保はスタメン候補に急浮上。満を持して世界の大舞台に挑む。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 いよいよ開幕が迫るカタール・ワールドカップ。森保一監督が率いる日本代表は、いかなる戦いを見せるか。ベスト8以上を目ざすサムライブルー、26の肖像。今回はMF久保建英(レアル・ソシエダ)だ。

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「人は3か月もあれば変われる。自分のできることをやって、(代表レギュラーに)また割り込んでいきたいなと。自分が良ければチャンスは生まれると思うので、それを信じて出番を待ちたい。今は割り切っています」

 カタール・ワールドカップ(W杯)最終予選の中盤戦を怪我で棒に振り、「代表当落線上」と評された今年6月。久保建英は目をギラつかせながら、巻き返しを誓った。

 その言葉通り、今夏赴いた新天地レアル・ソシエダでは開幕からゴールを奪い、8~10月にかけて11試合に先発。4シーズン在籍するスペイン1部でかつてないほどの輝きを放っている。

 この活躍に森保一監督も着目。重要な9月シリーズのアメリカ戦で4-2-3-1の左サイドに抜擢。課題の守備も精力的にこなした久保は、及第点を与えられるパフォーマンスを見せた。
 
 これでスタメン候補に急浮上。本人が公言した通り、3か月で自身の立場をガラリと変えた21歳のレフティは、満を持して初めての世界の大舞台に挑むことになる。

 10~14歳を名門バルセロナで過ごした久保の技術と創造性は、早い段階から注目の的だった。2017年のU-17W杯、同年U-20W杯、2021年夏の東京五輪と年代別世界大会を飛び級で総なめにしてきた若武者だけに、森保ジャパンでもいち早くエースに君臨すると期待された。

 実際、18歳になったばかりの2019年6月のエルサルバドル戦で初キャップを飾り、コパ・アメリカにも参戦したところまでは順調だった。本人も輝かしい未来を想像したに違いない。

 しかしながら、久保が主戦場としていた右サイドには堂安律(フライブルク)と伊東純也(スタッド・ドゥ・ランス)が君臨。トップ下も南野拓実(モナコ)や鎌田大地(フランクフルト)が起用されていたため、思うように出場機会を増やせなかった。
【動画】久保建英がサングラス&高級ブランド姿でドーハ入り!

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