DF中山雄太の代わりはFW町野修斗。追加招集の人選から見る森保ジャパンの“W杯プラン”

2022年11月08日 河治良幸

中山がいないことで、どんなマイナスがあるか

追加招集でW杯に参戦する町野。「日本を代表してカタールの地で闘えることに、誇りと責任を持って行ってきます」と意気込み。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 カタール・ワールドカップに臨む日本代表のメンバーで、怪我のDF中山雄太(ハダーズフィールド)に代わり、FW町野修斗(湘南ベルマーレ)が追加招集された。

 もともとDFが9人選ばれていたことを考えれば、メンバー構成的には攻撃のオプションを増やすことになり、大会に臨むにあったっては理解できるところもある。

 もちろん攻撃的なメンバーとしては、前回のロシア・ワールドカップで主力だった大迫勇也(ヴィッセル神戸)のほか、古橋亨梧(セルティック)や、ポジションは二列目がメインになるが旗手怜央(セルティック)のようなチョイスもあった。

 大迫に関してはリーグ最終節の試合後に、バックアップの打診を断ったというコメントもある。町野との優先順がどうだったかは詮索しても仕方ないが、この追加招集からチームの方向性、大会のシミュレーションを考えたい。

 まず中山がいないことで、どんなマイナスがあるか。左サイドバックには4大会目のW杯となる長友佑都(FC東京)と、ドイツで成長し、6月の代表シリーズから台頭した伊藤洋輝(シュツットガルト)がいる。長友は本職の左に加えて右サイドバック、伊藤はほぼ半々の割合で、左のセンターバックとしてもテストされている。
 
 4バック全体を見ると、右サイドバックは酒井宏樹(浦和レッズ)と山根視来(川崎フロンターレ)という2人のスペシャリストがおり、センターバックは冨安健洋(アーセナル)、吉田麻也(シャルケ)、板倉滉(ボルシアMG)、谷口彰悟(川崎フロンターレ)に、マルチロールの伊藤という構成だ。

 冨安は9月のアメリカ戦で右サイドバックでも起用された。ただし、周知の通り、板倉は膝の負傷から回復中で、冨安は過去に負傷した、ふくらはぎの痛みが再発したとの情報もある。

 伊藤がセンターバックもできる前提で考えれば十分にカバーできそうだが、中山がいなくなることで、伊藤が左サイドバックに専念する必要性がかなり高まった。MFとFWで最終ラインができる選手では、所属クラブで左ウイングバックを担っている相馬勇紀(名古屋グランパス)はサイドバックができなくもない。ただ、それはよほどの有事に備えてのプランだろう。
 

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