【500試合出場記念ストーリー】ジャッロロッソに永遠の忠誠を誓うデ・ロッシ

2015年10月19日 白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)

全盛期の称号に見合ったタイトルに恵まれているとは…。

10月17日のエンポリ戦でローマ通算500試合出場を達成したデ・ロッシ。59分にはヘディングで2点目を決めるなど、3-1の勝利に大きく貢献した。(C)Alberto LINGRIA

 10月17日のエンポリ戦だった。ASローマのダニエレ・デ・ロッシが、クラブ通算500試合出場を達成。59分にはCKからヘディングでゴールを奪い、メモリアルゲームに自ら花を添えた。
 
「歳を取ってきたけど(現在32歳)、僕はまだ感動や興奮を味わえている。ロマニスタと一緒に500試合を戦えて嬉しい。僕は幸せな男だね」
 
 下部リーグのサッカー選手だったアルベルト・デ・ロッシ(現ASローマU-19監督)を父に持ち、生まれも育ちもローマで生粋のロマニスタ。2000年に16歳で憧れのジャッロロッソ(黄赤の意。ASローマの愛称)の下部組織に入団した。当初はストライカーだったが、セントラルMFとして頭角を現わし、わずか1年でトップチームに昇格。01年10月30日のアンデルレヒト戦(チャンピオンズ・リーグ)でプロデビューを飾った。

 あれから14年。セリエAを372試合(37得点)、コッパ・イタリアを52試合(5得点)、欧州カップ戦を72試合(8得点)、イタリア・スーパーカップを4試合(2得点)、ジャッロロッソのユニホームを身に纏って戦った。ASローマで500試合出場を達成したのは、フランチェスコ・トッティ(15年10月19日現在で745試合)に次いで史上2人目。プロデビュー日から数えると、その偉大なる先人よりも360日早く大台に乗せた。
 
 20代半ばまでは、守備やビルドアップを担いながら積極的に前線にも駆け上がる万能型MFとして活躍。それ以降は攻守のバランスを司るアンカーが主戦場で、ここ数年は3バック中央のリベロや4バックのCBもこなしている。
 
 09年にはイタリア人年間最優秀選手に輝くなど、全盛期にはいわゆる"超ワールドクラス"に君臨した。しかし、ASローマでの獲得タイトルは、コッパ・イタリアとイタリア・スーパーカップが2回ずつのみ。その称号に見合った実績とは言い難い。

次ページ欧州中の名立たるメガクラブから幾度となく誘われた。

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