【J1採点&寸評】広島×川崎|途中出場のベテラン山岸が大仕事。大久保のJ1通算155点目も霞む劇的決勝弾で、広島が年間1位に返り咲く

2015年10月17日 小田智史(サッカーダイジェスト)

守護神・林の好セーブで凌ぎ、柴﨑&山岸のスーパーゴールで締める。

【警告】広島=青山(61分) 川崎=なし
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】山岸 智(広島)

【チーム採点・寸評】
広島 6.5
Jトップクラスの攻撃力を誇る川崎相手に、粘り強い守備を展開。失点時に一瞬マークが緩んだのは反省点だが、後半の早い時間帯に先制して流れを掴み、最後は劇的決勝弾で勝利と、チームに一体感と勢いをもたらすゲームだった。
 
川崎 5.5
ピッチを広く使ったポゼッションサッカーから迫力ある攻撃を披露。決定機を活かせず大久保のスーパーミドルで勝点1を掴んだかに見えたが、前がかりとなったサイドの裏を突かれて悔しい敗戦に。年間3位のFC東京が敗れて首の皮一枚つながったことが救いか。
 
 
【広島|採点・寸評】
GK
1 林 卓人 6.5
21分に小林のジャンピングヘッドを鋭い反応で防いで勢いに乗ると、35分には大久保のシュートを左手1本でセーブ。シュート回転した大久保のミドルに屈したのは「判断ミス」と振り返ったが、それでも1試合を通したパフォーマンスはチームを勇気付けた。
 
DF
4 水本裕貴 6
大きなサイドチェンジを先回りしてクリア。35分には身を挺したスライディングでピンチを凌ぐなど、川崎の強力な攻撃陣を1点に抑えた。
 
5 千葉和彦 6.5
読み、反応、ポジショニングの合わせ技で1対1を制圧。シュートコースを限定する追い込みでGK林の好セーブをサポートするなど、熟練のディフェンスが光った。
 
33 塩谷 司 6
大久保をショルダーチャージで弾き飛ばすフィジカルの強さを誇示。その後も激しい肉弾戦を繰り広げながら、攻撃にも厚みをもたらした。
 
MF
6 青山敏弘 6.5
1タッチでの縦パスは精度が上がらなかったが、流れに変化をもたらす閃きは評価に値。球際で激しく、泥臭く戦い、背中でチームを牽引した。
 
8 森﨑和幸 6.5
2年ぶりのシーズン30試合出場をクリア。大久保も思わず悔しさを露わにする絶妙なインターセプトで攻撃を堰き止め、逆にカウンターを巧みに引き出した。
 
9 ドウグラス 5.5
ターンやコンビネーションを狙うも川崎の守備網に引っ掛けられて悪戦苦闘。77分の決定機も枠を外すなど、本来の迫力は影を潜めた。
 
14 ミキッチ 6
前節痛めた右膝も問題なく、元気にスタメン出場。対面の中野と激しくマッチアップしては、裏のスペースを突く縦への動きで相手を脅かした。
 
27 清水航平 5.5
今季初の2試合連続スタメン出場。果敢に仕掛けてサイドをえぐった半面、クロスはアイデア不足。球際でも競り負ける場面が何回かあった。
 
30 柴﨑晃誠 6.5
中盤でタメを作り、攻撃のスイッチを入れた。大久保に負けず劣らずのワンダフルゴールで先制点を挙げ、チームにゆとりを生んだのは大きかった。
 
FW
11 佐藤寿人 5.5
最も多くのゴールを挙げている相性の良い川崎相手にノーゴール。セットプレーで2度シュートチャンスはあったが、枠内には飛ばせなかった。試合後にひと言「個の対決では(大久保)嘉人の勝利」。
 
 
交代出場
FW
29 浅野拓磨 5.5
前線にひとり残る完全カウンター体制。スペースがある分、持ち前のスピードが際立ったものの、ゴール前での余裕がなく、相手DFとの攻防で押し戻された。決勝点に絡んだのは間違いないが、これで満足できる選手ではないため、厳しく採点。
 
DF
19 佐々木翔 5
左ワイドで守備に軸足を置きつつも、攻撃にも積極的に参加。ただ、大久保のゴール時には出足が遅れてボールウォッチャーとなり、簡単にシュートを許してしまった。山岸のゴールに助けられたと言える。
 
MF
16 山岸 智 7
今季2試合目の出場で、会場を歓喜の渦に誘うドラマチックな決勝弾。故障や出番を得られない苦しい日々を乗り越えての、見事な活躍だった。
 
監督
森保 一 6.5
山岸の投入がズバリ的中。ミキッチを早い時間帯に下げる決断も明確で、今季の象徴であるチーム力を引き出す采配が光った。

次ページ大久保が輝きを放つも、勝利に値する内容とは…。

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