「守備範囲が本当に広い」守田英正がトッテナム戦で感じたプレミアトップ選手の“違い”。注目の37歳指揮官の下で躍動も「もっと追求していかないと」【現地発】

2022年10月28日 田嶋コウスケ

守備的MFというよりインサイドハーフのイメージに近い

トッテナム戦でロメロと競り合う守田(右)。攻撃のアクセントともなった。(C)Getty Images

 今夏からポルトガルのビッグ3でプレーする守田正英が存在感を示した。

 トッテナムとのチャンピオンズリーグ(CL)グループリーグ第5節(1-1)で、守田は3−4−3のセントラルMFとして先発出場。ハリー・ケインやソン・フンミンらワールドクラスを擁する難敵を相手に中盤中央で守備に走りながら、ポゼッション時には前線まで押し上げて攻撃に奥行きを与えた。62分にふくらはぎに違和感を覚えて途中交代となったが、スポルティングの背番号5はトッテナム戦で非常に目を引く存在だった。

 イングランドに拠点を置く筆者は、今回の試合で初めて守田を取材した。スポルティングのホームで行なわれたグループリーグ第2節のトッテナム戦(2-0)はテレビ観戦となったが、その際に強く感じたのは守田のポジショニングの良さだった。決して派手さはない。

 だが相手にとっては嫌なところ、嫌なところに顔を出し、特に守備でしぶとく仕事をしていた。そのイメージは舞台をトッテナムの本拠地に移した今回の試合でも変わらず、スポルティングにとって攻守のキーマンであるとの印象を改めて抱いた。

 スポルティングの基本フォーメーションは「3−4−3」。相手ボール時になるとウイングバックが最終ラインに入り、「5−2−3」に変形する。守田のポジションは、基本形の「3−4−3」でも守備時の「5−2−3」でも変わることなく、中盤中央のセントラルMFのままだ。
 
 特に守備時は最終ライン手前のバイタルエリアから決して離れず、相手に寄せに行ったり、インターセプトを狙ったりして、DFライン前の防波堤として機能した。

 効果的だったのは、攻撃時におけるポジション取りだ。日本代表MFは比較的自由にプレーし、前方にスペースがあれば中盤高い位置までポジションを押し上げたり、サイドの高い位置にスペースを見つけるとタッチライン際まで開いたりと、幅広くフィールドを駆け回った。6番タイプの守備的MFというより、8番タイプのインサイドハーフのイメージに近い。

 面白いのは、こうしたポジション取りがスポルティングにとって攻撃のアクセントになっていた点だ。中盤中央のエリアから守田が飛び出していくことで、攻撃の奥行きがぐっと広がったのである。

 指揮官が普段の練習から落とし込んでいることなのか。あるいは、自主的に考えてやっていることなのか。質問をぶつけてみると、守田は次のように話した。

「ある程度、動き方とかタイミングというのはチーム全体で共有している部分はある。最後のプレーの選択としてのポジション取りは、僕に任せてもらっているところがあるので。

 最終的には自分の判断だと思うんですけど、流れの中でチームのどの選手がどこに動くかというのは、ある程度は予め分かっている。それに合わせて流れの中で動いてるというのがベースかと思います」

【動画】シュート性のボールを見事な反応で合わせる!守田が決めたスポルティング移籍後初ゴール

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