「今季も一緒にプレーしたかった」親友イ・ガンインと相まみえた久保建英。ソシエダ番記者は古巣マジョルカ戦のプレーをどう評価した?【現地発】

2022年10月22日 ミケル・レカルデ

マジョルカに手を焼いたが1-0で勝利

久保(左)は75分までプレー、イ・ガンイン(右)は69分からピッチに立った。(C)Getty Images

 昨夏の移籍市場の締め切り直前に、マジョルカはイ・ガンインを獲得した。その瞬間、誰もがタケ・クボ(久保建英)との日韓コンビの形成に期待を膨らませた。2人はすぐに意気投合。それはタケがイ・ガンインのことを「サッカー界における最高の友人」と認めるほどだ。

 ノティシアス・デ・ギプスコアのインタビューでは、「今シーズンも一緒にプレーすること望んでいた。僕も彼もね。彼のプレースタイルは、ソシエダの戦術にマッチするはずだ」と明言している。

 その2人が所属するチームがラ・リーガ第10節で顔を合わせた。タケは、自らが輝ける居場所を見つけた喜びに満ちている。イ・ガンインも今シーズンは、タケが言うように、プレースタイルを考慮するとマジョルカよりもマッチしそうなチームは他にありそうだが、ハビエル・アギーレ監督の信頼を勝ち取り、コンスタントな活躍を見せている。

 タケも「僕たちは似ている。でも同時に彼は僕にないものを持っていて、その逆のことも言える。素晴らしいキックの技術を持ち、闘争心も旺盛だ」と評価するように、才能は折り紙付きだ。

 試合はホームのレアル・ソシエダが、マジョルカのアグレッシブなプレーに手を焼いたが、開始早々のミケル・メリーノが決めた先制ゴールを最後まで守りきり、1-0で勝利。公式戦の連勝を8に伸ばした。
 

 2人のパフォーマンスに目を向けると、まずタケは好パフォーマンスを披露したが、フィニッシュの精度を欠いた。一方、イ・ガンインは後半途中から出場すると、カンフル剤として終盤にソシエダを追い込んだチームの攻撃を引っ張った。

 決定力の向上は、タケ自身も自覚している課題だ。同じくギプスコア・デ・ノティシアスのインタビューで、20得点に絡みたいと今シーズンの目標について語っている。

 とりわけこのマジョルカ戦では、決定機を逃すシーンが目立った。開始10分、右足を振り抜いたが、シュートは相手GK、プレドラグ・ライコビッチの正面を突いた。その約15分後、ダビド・シルバの絶妙なパスから裏に抜けて絶好機を迎えたが、またしてもシュートはコースが甘く、ライコビッチがセーブ。30分過ぎには、高速ドリブルでカウンターの急先鋒となったが、今度はブライス・メンデスがチャンスを決められなかった。

 後半、この日も2トップを組んだアレクサンダー・セルロトが立て続けにチャンスをお膳立てしてくれたが、1度目は相手DFが寄せてくる中、強引に放ったシュートはクロスバーを越え、2度目も再びライコビッチの正面を突いた。

 幸いチームが逃げ切りに成功したことで勝敗に影響を与えることはなかったが、こうしたチャンスを決めていかないと勝てる試合を逃すことにもなりかねない。この日も交代でピッチを退く際に観客から拍手を浴びたが、タケは自身のパフォーマンスに満足できていなかったに違いない。

 果たしてタケが望むように、ソシエダでイ・ガンインと一緒にプレーする日が将来、訪れるだろうか。当面は決定力に磨きをかけながら、シーズンに2度、仲の良い敵同士という関係で顔を合わせることになる。

取材・文●ミケル・レカルデ(ノティシアス・デ・ギプスコア)
翻訳●下村正幸

【動画】3度の決定機を逃すも…古巣マジョルカ戦で躍動した久保のパフォーマンスをチェック

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