ユース時代にあと一歩届かなかった頂点へ。広島の同期・満田誠、大迫敬介、川村拓夢がルヴァン杯決勝に懸ける想い

2022年10月21日 寺田弘幸

大きな敗戦から立ち直り前を向く

(左から)広島の満田、大迫、川村。ルヴァン杯決勝へ、同期の3人が意気込みを語った。(C)SOCCER DIGEST

[ルヴァンカップ決勝]
セレッソ大阪vsサンフレッチェ広島
10月22日/13時5分キックオフ/国立競技場

 ルヴァンカップ決勝の前日、公式練習を終えてミックスゾーンで取材に応じたのは、10月16日の天皇杯決勝の敗戦に、PKの残酷さに打ちひしがれた23歳の3選手だった。

 延長後半に自ら獲得したPKを決められなかった広島の満田誠は、紫色に染髪して国立に乗り込んだ。

「本当に悔しかったし、切り替えるのにも時間がかかりましたけど、1番悔しいのは自分たちもそうなんですけど、自分たちのことを応援してくださった方々だと思う。しっかりとルヴァンのタイトルを獲ることが、せめてもの恩返しになるのかなって思って、切り替えてきました」

 1-1で突入したPK戦では、1度もストップできず、自分の無力さを感じさせられたというGK大迫敬介は、再び良い準備をして決勝に臨んでいる。

「先週、非常に悔しい結果になりましたけど、チームとしてもそこからまた出た課題を修正して明日を迎えられるので、すごく良い状態ですし、直近に緊張感のあるゲームができたことを今はポジティブに捉えています」

 同点ゴールを奪うもPK戦で唯一失敗した川村拓夢も、必死に前を向いていた。

「あの試合の敗戦のショックは本当に大きかったんですけど、明日にまた決勝もあるので、何とか切り替えられた。天皇杯は初めての決勝戦で空回りしちゃった部分が大きいので、明日はこの決勝という舞台を楽しむことを1番にやっていきたいと思います」
 
 1999年生まれの同期3人は、ユース時代から、あと少しのところで優勝を果たせない悔しさをともにしてきた。

 彼らが高校2年生のとき、広島ユースはJユースカップを決勝まで勝ち上がった。そしてファイナルでは、2点を先取するも、3失点してFC東京U-18に逆転負けを喫した。プレミアリーグWESTを制してチャンピオンシップにも出場したが、青森山田にPK戦の末、敗れた。

 満田はユース時代の過去も振り返りながら、タイトルへの想いを一層強めていた。

「天皇杯は高校2年のとき以来の決勝で、サコ(大迫)も拓夢(川村)も僕もそのときよりもちろん成長しているんですけど、勝つためには何かが足りなかったなと思います。でも、こういった経験をまた同期と経験できたことが、今後の自分のサッカー人生において良かったって言えるように、これからサッカー人生を歩んでいきたい。まず、ルヴァンで優勝したいです」

 22日、広島は大きな敗戦から立ち直って、初めてのカップ戦のタイトルを獲りにいく。満田、大迫、川村の3人も、何度も立ち上がって挑み続ける。

取材・文●寺田弘幸(フリーライター)

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