「防ぎようがない」「動きが読めない」規格外の久保竜彦から学ぶ一流ストライカーの本質

2022年10月21日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

FWにとってやはり重要なのは…

07年の浦和戦で驚愕のロングシュートを決めた久保。まさに規格外のストライカーだった。写真:サッカーダイジェスト

  ひと言で「規格外」。文字通りスケールが違うアタッカー、"ドラゴン"久保竜彦について、元日本代表コンビの坪井慶介と播戸竜二がYouTubeチャンネル『サッカーダイジェストTV』で語ってくれた。

    "野生のストライカー"久保の凄さを語ってくれたのが、現役時代に何度もマッチアップした坪井だ。    

「プレーが読めない。次に何をしてくるんだろうって。正直、セオリーもないんですよ。『こっち空いてるから行くわ』って感じで、その動きが読めないんです」    

 相手DFからすれば予測不可能なFWは厄介な存在で、その意味でも久保は偉大な選手だった。同じFWだった播戸のコメントからは、"野生・久保"の側面が理解できるだろう。    

「俺とか(佐藤)寿人はゴールを取るためにどうすればいいかを考えていて、実際、ロジックな感じで動いている。でも、(久保)タツさんは枠に収まらない。正直、結果に左右されないスケールのデカさがある」  
 
 
 坪井が度肝を抜かれたのは、2007年J1開幕戦、浦和対横浜FC戦で決められた超ロングシュートだった。「あのゴールは防ぎようがない」と話す坪井に続いて、播戸は"久保のシュートの秘訣"について「タツさんに言われたのは『ゴールを見ろ』でした。そりゃ、そうかと納得しました」と説明している。  

 「『ゴールを見ろ』という言葉に凝縮されている」という坪井は、改めて浦和戦のロングシュートについて「あんなの決められたら、こっちはどうすればいいの?」と振り返る。それだけ常識外れのシュートだったということだ。

 ストライカーにとって重要なのは、やはり感覚。播戸が「今の時代、『考えて』とか『理論』とか言われるけど、やっぱり感覚は大事」と言えば、坪井も「そこは忘れちゃいけないよね。感覚が足りないFWはDFとしても怖くないですから」と同意する。

 育成年代で教え込まれることは決して悪くない。ただ、そもそも持っている感覚を潰さないサッカー教育も大事。組織立った守備を崩せるのは個の感覚。それは、今も昔も変わらないかもしれない。  

構成●サッカーダイジェストTV編集部

【動画】元日本代表コンビが語る「久保竜彦の仰天エピソード」

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