モドリッチを上回る驚異の「100%」…ヴィニシウスがクラシコで記録した驚きのスタッツとは? “粗削り”の印象を覆す圧巻のプレー【現地発】

2022年10月17日 江國森(サッカーダイジェストWeb編集部/現地特派)

2点に絡むパフォーマンス

バルサを相手に攻守に奮闘を見せたヴィニシウス(右)。(C)Getty Images

[ラ・リーガ第9節]レアル・マドリー 3-1 バルセロナ/10月16日/サンティアゴ・ベルナベウ

 正直、ここまで完成された選手だと思っていなかった。レアル・マドリーのヴィニシウス・ジュニオールのことだ。

 ジネディーヌ・ジダン前監督の下では冷遇され、放出要員として名前も挙がったブラジル代表FWは、カルロ・アンチェロッティが指揮官に復帰した昨シーズンに大ブレイク。チャンピオンズリーグのファイナルで決勝点を叩き出すなど、ラ・リーガとの2冠に大きく寄与した。

 アンチェロッティの粘り強い指導と、レギュラーとして継続してプレーさせることで、課題だった決定力不足が向上したのは周知の事実。それでも、まだ粗削りな面が目立つ印象だった。

 ただ、宿敵バルセロナを3-1で下したクラシコでは、得意のドリブル突破だけでなく、パスでも魅せた。

 自身のシュートのこぼれ球をカリム・ベンゼマが決めた先制点から10分後の35分、敵のゴール前でボールを収めると、DFを引き付けておいてオーレリアン・チュアメニに意表を突くヒールパス。ここからフェルラン・メンディ→フェデリコ・バルベルデと渡り、圧巻のミドルシュートで追加点が生まれた。

【動画】ヴィニシウスの絶妙ヒールパス→バルベルデが決めた強烈なミドル弾
 52分には、左サイドでルカ・モドリッチからボールを受けると、ベンゼマへサイドチェンジのパス。ここからフランス代表FWがネットを揺らすも、わずかにオフサイドでゴールは認められなかった。惜しくもアシストはつかなかったものの、モドリッチが出したのではないかと見まがうほど、正確なパスだった。

 データサイト『Whoscored.com』によれば、この試合でのヴィニシウスのパス成功率は、同僚のモドリッチ(97.1%)をも上回る、なんと100%。本数自体が10本と少ないとはいえ、その多くが、自陣での繋ぎのパスではなく敵陣で"勝負をする"パスである事実を考えれば、評価していいだろう。しかも、舞台はクラシコ、相手はバルセロナだ。

 攻撃だけではない。守備でも果敢にプレスを仕掛け、バルサのビルドアップを自由にさせなかった。

 ゴールもアシストもなかったが、2点に関与し、守備でも貢献。この22歳はとてつもない成長曲線を描いている。

取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部/現地特派)

【動画】ヴィニシウスの正確なサイドチェンジのパス→ベンゼマがゴラッソを決めるも…

【PHOTO】レアル・マドリー3-1バルセロナ|バルベルデの強烈ミドル炸裂!ベンゼマも決めて250回目のエル・クラシコは快勝!

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