「甲府に育ててもらって今がある」サンフレ柏好文が表彰台で歓喜に沸く古巣の姿に感じた想い「本当に良いチーム」と称えつつも…

2022年10月17日 手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

「この大舞台で甲府と対戦できたことにまず感謝したい」

広島の柏が「おめでとうと伝えたい」と天皇杯優勝を果たした古巣を称えた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[天皇杯決勝]甲府1(5PK4)1広島/10月16日/日産スタジアム

 サンフレッチェ広島の柏好文にとって、この日は特別な1日となった。

 広島は10月16日、天皇杯決勝でJ2のヴァンフォーレ甲府と対戦し、1-1で突入したPK戦の末に敗れ、大会初優勝とはならなかった。

 左ウイングバックで先発し、サイドで激しく上下動を繰り返すなど、アグレッシブなプレーを見せた柏は、試合にこそ負けたものの、「甲府も非常に組織立って前半から守備をしてきた。ただ劣勢のなかで自分たちのサッカーが出せたのは、チームの強みだと思う。そういう意味ではPKまでみんなよく戦ったなと思っています」と手応えを口にした。

 柏は山梨県出身で、2010年に甲府でプロキャリアをスタート。決勝という大舞台での甲府との対戦は、柏にとって特別なものだった。

「僕自身、山梨で育って、甲府というクラブに育ててもらって今がある。この大舞台で甲府と対戦できたことにまず感謝したいです。自分たちは敗者で悔しさはありますけど、甲府には素直におめでとうと伝えたいですね」
 
 相手は守備時に、両ウイングバックが下がって5バックを形成。コンパクトさを保ちながら、集中した守りをしてきた甲府の守備陣形を、試合を通してなかなか崩し切ることができなかった。35歳のサイドアタッカーは、「相手も決勝にふさわしいプレーをしてきた」と古巣の試合運びを称えた。

「監督も試合前に、J2といったカテゴリーは関係なく、J1クラブと4度戦って、すべて勝ってきたチームだと強調していましたし、本当に良いチームだと感じました」

 甲府に対する思いを率直に語った柏だが、表彰台に上がり歓喜に沸く相手選手たちを見て、やはりそれ以上に悔しさが込み上げてきたという。

「僕自身もタイトルへの想いが強いので、やっぱり負けると悔しい。2位と1位では大きな差があるのを、今日の表彰台でも感じました。この悔しさを来週、喜びに変えたいと思っています」

 広島は22日に、ルヴァンカップ決勝でセレッソ大阪と対戦。この悔しさを晴らすべく、柏はタイトル獲得へ闘志を燃やした。

取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

【天皇杯決勝PHOTO】甲府1(5PK4)1広島|PK戦にもつれる大激戦を制して、甲府が悲願の初優勝!

【PHOTO】天皇杯決勝の地・日産スタジアムに駆け付けたサンフレッチェ広島サポーター!

【PHOTO】天皇杯決勝の地・日産スタジアムに駆け付けたヴァンフォーレ甲府サポーター!
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事