「歩くところにファンやメディアがついてくる」鈴鹿の三浦泰年監督が語る、選手の成長を促す“カズ効果”。一方、デメリットは?

2022年10月10日 野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

カズの出場と勝利。「成し遂げられたのは非常に嬉しい」

鈴鹿の三浦監督(右)は“新国立”でのカズ(左)の起用、そして勝点3を喜んだ。(C)SOCCER DIGEST

[JFL第24節]クリアソン新宿 0-1 鈴鹿ポイントゲッターズ/10月9日/国立競技場

 実弟が持つ影響力について語った。

 鈴鹿ポイントゲッターズは、JFL第24節でクリアソン新宿に1-0で勝利。会場は国立競技場。リーグでは2回目、2019年に新築された"新国立"では初開催のゲームで、観客数はJFL史上最多の1万6218人。歴史的な一戦を制した鈴鹿の三浦泰年監督が、試合後に取材に応じた。

 指揮官はまず、力強く勝ち切ったチームを称える。

「前半は攻撃に仕掛けていく時間が取れなくて。後半は持ち直して前でキープできて、しっかり1点取れた。ここ4戦勝てていないなかで、勝点3を取り切ろうと、みんながまとまり、集中して戦えた」

 一方、「まだまだサッカーの内容と質で、周囲を惹きつける、見に来てくれた人を喜ばせる点は欠けている」と課題も挙げた。

 国立競技場での試合開催については、素直な喜びを感慨深そうに語った。
 
「テンションが上がっているのが自分だけかってくらい、昔の国立と照らし合わせながら。私がプレーしていた頃のホームグラウンドであり、日本代表デビュー戦をやり(弟のFW三浦知良と)兄弟で読売クラブ(現・東京ヴェルディ)のユニホームを着て、天皇杯で優勝カップを掲げて。オリンピックに向けてできあがった国立競技場で指揮が取れる喜び。と同時に、JFLの選手がプレーできて喜びを感じた」

 76分から投入したカズについては、「まずここに連れてこられるのか、出場させられるのか、勝利がついてくるのか。この3つを成し遂げられたのは非常に嬉しい」として、事前に"最長でも30分"とプレータイムを決めて、本人に「勝負をかける、守り切る、どういう状況でも必ず使う」と伝えていたと明かす。

 また、55歳のFWは若い選手と同じトレーニングメニューをこなしており、「選手にとっては、お父さんくらいの年齢。トレーニングに向かっていく姿勢は、選手がJリーグに上がる、または復帰する時に、メンタル的、技術的にも良い影響がある」と語る。

 さらに、「カズが歩くところにファンやメディアがついてくる」ようで、自チームの選手は「トレーニングから見られているというプレッシャーで集中する」、相手チームは「前戦よりもモチベーションが上がる。その相手と対戦できる」として、選手たちが成長する効果もあると述べた。

 一方で、デメリットにも言及。カズのおかげなのに、選手個々が自身の注目度が高いと勘違いしてしまう面の影響もあると指摘。「しっかりマネジメントするのが、スタッフや監督」と気を引き締めた。

 鈴鹿は今季、残り6試合。次戦に向けては「"聖地"での勝利を勢いに変えられるような残り試合にしたい」と意気込んだ。

取材・文●野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

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