【イラン戦展望/予想スタメン付き】現在地が問われる強豪との一戦。評価を上げる清武、塩谷の抜擢もあるか

2015年10月12日 五十嵐創(サッカーダイジェストWEB)

FIFAランキングで上位のイラン相手に「縦に早いサッカー」「デュエル」が通用するか

左ワイドにはシリア戦で好パフォーマンスを見せた清武、右SBには評価を上げる塩谷が抜擢される可能性も。

 シリア戦が行なわれたオマーンと比べて気温・湿度ともに低く、イランの気候は快適だ。標高1500メートルという高地であることを差し引いても、「パフォーマンスはかなりよくなるんじゃないかなという期待はあります」(吉田)と選手たちもモチベーションを高めている。
 
 香川が「しっかりとリカバリーできているので、次の試合に向けて良い準備ができると思います」と言うようにコンディション調整も順調で、12日の前日練習を控えた時点では23人全員が怪我なく、イランとの一戦に向けて準備を整えている。
 
 約10年ぶりとなるアザディ・スタジアムでのゲームは、これまでのワールドカップ・アジア2次予選とは大きく趣が異なる。イランはFIFAランキングで日本より上のチームで、なおかつスタジアムには8万人の観衆が押し寄せるとも言われている。完全アウェーの雰囲気のなかでの、力のある相手との対戦。日本の現在地が問われる試合になるということだ。
 
 その意味で言えば、スタメンには現時点でのベストチョイスが並ぶと予想できる。今年3月の就任から積み上げてきた「縦に早いサッカー」や「デュエル」が、このレベルの相手に通用するのか。その見極めを最優先するはずだ。
 
 もっとも、イラン戦は6人交代が可能な親善試合だ。いくつかのポジションでスタメンの変更もあるかもしれない。例えば、シリア戦で3点目の起点になった清武や、強烈な身体能力を備えた塩谷あたりは、スタートからピッチに立っていてもおかしくない人材だ。
 
 ふたりとも評価は高く、ハリルホジッチ監督は清武について「ビルドアップのクオリティが高い」、塩谷については「テクニックのクオリティも良いものを持っていますし、パワーも十分ある。チャンスを与えるメリットはあると考えています」と語っている。当人たちもメンタル面での準備は万全で、「試合に出たいという思いはすごく強い」(塩谷)と出番に飢えているようだ。
 
 塩谷の起用が予想される右SBは、内田が長期離脱中で、代役を務める酒井宏、酒井高がいずれも合格点と言えるパフォーマンスを示せていない。塩谷にとっては、序列を上げる絶好のチャンスと言える状況で、本人が意気込むのも当然だろう。

次ページ指揮官が絶賛する南野には長いプレータイムが与えられる可能性も。

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