【喜熨斗勝史の欧州戦記|第18回】「キノ、 守備は任せるよ」セルビア代表ストイコビッチ監督からの信頼に応え、ネーションズリーグでリーグA初昇格!

2022年09月30日 サッカーダイジェストWeb編集部

自分たちを徹底的に分析することを重視した

セルビア代表のストイコビッチ監督(写真右)と喜熨斗コーチ(写真左)。ネーションズリーグでのリーグA初昇格を決めて喜んだ。

 セルビア代表のドラガン・ストイコビッチ監督を右腕として支える日本人コーチがいる。"ピクシー"と名古屋でも共闘し、2010年のリーグ優勝に貢献した喜熨斗勝史だ。

 そんな喜熨斗氏がヨーロッパのトップレベルで感じたすべてを明かす連載「喜熨斗勝史の欧州戦記」。第18回は、9月に行なわれたネーションズリーグについて語ってもらった。
 
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 やりました!

 私たちセルビア代表は9月に行なわれたネーションズリーグで、スウェーデン(〇4-1)とノルウェー(〇2-0)に2連勝。リーグB・グループ4の中で首位フィニッシュとなり、2024~2025年ネーションズリーグでのリーグA初昇格を決めることができました。
 
 カタール・ワールドカップの開催まで2か月弱。日本代表は本大会へ向けた最終準備としてアメリカ代表とエクアドル代表の2か国と対戦しましたね。日本国内ではドイツ代表やスペイン代表の結果が多く報じられていますが、実はリーグA昇格というのはエポックメイキングなことなのです。

 まずグループAはスペイン代表やドイツ代表など強豪国揃い。そうなれば国民のサッカーへの関心度はさらに大きくなります。強豪との対戦は、言うまでもなくセルビア代表のチーム強化にもつながります。子どもたちや若手の刺激にもなる。

 そしてトラック付スタジアムで更衣室からグラウンドまで長いトンネルを通っていかないといけないナショナルスタジアム(レッドスターの本拠地マラカナ)の改築機運も高まりつつあり、経済的効果も見逃すことはできません。そしてこの結果によって、来年3月から始まるEURO2024の予選において第2ポッドを獲得することができました。

 そんな大きな意味を持つ2試合だと理解したうえで、日本での充電を終えた私は9月13日にベオグラード入りしました。スタッフ陣とのミィーテングでは負傷中の選手(フィオレンティーナのDFニコラ・ミレンコヴィッチ)や出場停止選手(マジョルカのGKプレドラグ・ライコヴィッチ)の代替選手の選定などをして、18日から代表キャンプがスタート。

 ミスター(ドラガン・ストイコビッチ監督)とは事前に何回も相談して練習メニューはでき上がっていたのですが、絶対に勝たないといけない2試合(スウェーデン戦前はノルウェーと勝点3差の2位)。相手を分析し、それ以上に自分たちを徹底的に分析することを重視しました。

次ページハーランドにやられそうになりましたが…

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