「CLでも拓実に決められた。相性が悪い」伊東純也は日本人対決で何を感じた? “因縁の相手”南野のゴールは「ラッキーでしょ」

2022年09月19日 元川悦子

日本代表主力同士の対決がついに実現

南野との日本人対決に臨んだS・ランスの伊東。0-3の完敗に悔しさをにじませた。写真:元川悦子

 今夏、フランス1部のスタッド・ドゥ・ランスに加入した伊東純也。8月14日のクレルモン戦で新天地デビューを飾り、続く21日のストラスブール戦以降は全試合スタメンと、今の彼は紛れもなくチームの攻撃の軸を担っている。

 その間、川島永嗣のストラスブール(1-1)、オナイウ阿道のトゥールーズ(0-1)との日本人対決があったが、前者は川島の出場がなく、後者は2人揃ってプレーしたのは16分程度しかなかった。しかも2戦ともに勝利ならず。S・ランスの伊東にとっては、やや悔しい結果となった。

 それだけに、日本代表の盟友・南野拓実とフランスで初めて激突した18日のモナコ戦は気合が入っていたはず。残念ながら南野はベンチスタートだったが、どこかで同じピッチに立つチャンスはあるだろうとモチベーションを高めていたのだろう。

 今季の伊東のポジションは、チーム事情で2トップの一角が多かったが、今回は5-4-1の右サイドでスタメン出場。本職の右ウイングで存在感を発揮できる環境が整ったのだ。
 
「(オスカル・ガルシア)監督からは、『ちょっと中気味にプレーしろ』とは言われましたけど、サイドで何回か受けれる場面はあった」と本人も言うように、序盤は悪くないスタートを見せていた。

 ところが、22分に早々と退場者が出てしまう。今季8戦中5戦でレッドカードが出ているチームの現状に、日頃、冷静な伊東も「ホント審判のレベルをどうにかしてほしい。マジで試合が壊れちゃうんで」と苦言を呈したが、一度下された判定は覆らないのがサッカーだ。S・ランスはいち早く4-4-1に布陣を変更し、10人の劣勢をしのぐしかなかった。

 そうなると、伊東はより強引に右サイドを突破していくしかない。その割り切りが良い方向に出て、確実にチャンスは増えていく。ただ、マッチアップするモナコの左SBカイオ・エンリケも的確な対応を披露。スコアレスで前半を折り返した。

 そして迎えた後半。モナコは一瞬の隙を逃さず、47分にロシア代表のアレクサンドル・ゴロビンがヘッドで先制点をゲット。S・ランスはさらなる苦境に追い込まれる。その後、伊東の右CKから、同点弾が生まれたかと思われたが、オフサイドで取り消されてしまった。

 一方のモナコはここで畳みかけるべく、フィリップ・クレマン監督はさらなる刺客を投入する。その1人が65分にゴロビンに代わって送り込まれた南野。現日本代表攻撃陣の主力同士の直接対決がついに実現したのである。
 

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