「キョウゴは最もリスクが低かった」ポステコグルー監督が日本人選手の獲得について語る!加入時の“懸念事項”は?

2022年09月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

「日本では、外では誰も近づいてこない」

古橋(8番)を獲得した目利きも高く評価されているポステコグルー監督(左)。(C)Getty Images

 スコットランドの名門セルティックを率いるアンジェ・ポステコグルー監督が、英スポーツチャンネル『BT Sports』のインタビューに登場。スポーツジャーナリストのダレル・カリー氏と元イングランド代表クリス・サットン氏から質問を受け、昨シーズンから指揮を執るクラブでの成功の秘訣や、日本人選手を多く引き入れ、チームにうまくなじませた方法などを明かしている。

 オーストラリア出身の指揮官は、これまで母国の代表やクラブでの監督経験を経て、2018年からJリーグの横浜F・マリノスの指揮官に就任。2019年には15年ぶりのリーグ制覇を達成し、昨夏にスコットランドに渡った。そして、就任1年目で、名門セルティックに課せられていたリーグタイトル奪還という目標を達成した。

 司会者に「昨シーズンは素晴らしかった。タイトルを失って難しい状況にあったのに、就任直後からとても順調にクラブを率いているように見えた。補強も印象的だった。成功の秘訣は何だったのか?」と尋ねられると、指揮官はこのように返答している。

「日本からここに来て、契約するまではとても速かったように感じる。クラブのスタッフも歓迎してくれたし、サポーターも温かかった。補強は私もクラブと話し合い、スカッドに何が必要か考えた結果だ。チームを率いるのに大切だと思っていることのひとつに、インパクトを与えることがある。そして、できるだけ早く状況を変えること。

 例えば、キョウゴ(古橋亨梧)は文字通り、初めて仲間たちとホテルで朝食をとった後、初戦のハーツ戦の最後の10分間に投入した。それが私にとってプロセスを早める方法だったから。最初は混とんとしていても、乗り越え、チームが走り出したら、自分たちのサッカーがインパクトを与えるという確信がある。これまでの"職場"でも同じことが起きたし、それが私の仕事の基本だ」
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 また、「新たに契約したプレーヤーのうち、誰が"ギャンブル"だったか?」という質問には「誰にもそういうリスクはある」と認めつつ、古橋については「最も(フィットしない)リスクが低かった」と振り返った。

「彼(の成功)には自信があったんだ。私は直接指導したわけじゃないが、対戦して度々見る機会があった。Jリーグで優勝した年にディフェンダーたちと話していて『彼だけはどうしようもない』とお手上げだったのを覚えている。これは日本では間違いのない基準なんだ。なので、ここに来て『必ず契約しなければならない』と言った最初の選手だった」

 そして古橋に続いて加入した旗手怜央、前田大然、井手口陽介ら日本人選手が「いかに海外のチームにフィットするか」を懸念していたとも明かしている。

「現地のファンたちに不安があったように、私にとっても心配の種ではあった。フィールド上ではなく、フィールド外でもサポートが必要だとクラブに伝えた。キョウゴは彼の所属事務所にいる通訳を伴ってやってきた。他の日本人選手もそうだが、グラウンド外でも大きな助けとなる存在だ。選手たちが最高の状態でプレーするためには、そのサポートもとても重要だ。この点においては、まだ理解が十分に深まっていないように感じる」

 また、スコットランドと日本の違いについて尋ねられると、「文化が違うからね。例えば、日本では監督として成功しても、外では誰も近づいてこない。皆僕のことを知っていても外では声をかけてこないんだ。ただ、スコットランドの人々はどこでも、たまにおかしなシチュエーションでも声をかけてくる。私の息子たちは、外に出たら父親がいろんな人とツーショットを撮影することに慣れないといけない(笑)」と述べた。

 セルティックは今シーズンもリーグでは開幕6連勝と好調を維持。チャンピオンズリーグでは、これまでレアル・マドリー(0-3)、シャフタール・ドネツク(1-1)といった欧州の名門クラブと対戦し、指揮官も注目の存在になりつつある。それは、プレミアリーグのブライトンの次期監督候補と報じられたことからも明らかだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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