元Jリーガー中田一三が通信制高サッカー部で乗り出す夢の育成プロジェクト! 多彩な指導歴で目ざすは「仲間と一緒にやり切れる場」

2022年09月14日 加部 究

下は保育園から上はJクラブまでの指導を経験

保育園からJクラブまで、多彩な指導歴を持つ中田氏が、通信制高サッカー部の総監督として新たな挑戦に乗り出す。

 Jリーグの京都でのトップチーム監督経験者が、全寮制の通信制高校サッカー部を率いて新しい挑戦に乗り出すことになった。

 三重県中南勢地域に位置する代々木高で、新設されるサッカー部を総監督として指揮するのが中田一三氏。同県出身で四日市中央工高時代には小倉隆史、中西永輔、両氏(いずれも元日本代表)とともに三羽烏として脚光を浴び、1991年度の全国高校選手権では主将として同校を初優勝に導いた。そのままプロ入りすると、福岡、大分、仙台など6チームで13年間に渡りJリーグで活躍した。

「通信制高校は、非常に時代のニーズに適した形だと思います。全寮制なので全員が早寝早起きの一定リズムで生活し、日中のフレッシュな時間帯にトレーニングが出来る。Jアカデミーや高校だと始まるのが夕方近くになり、さらに遠距離から通うケースもあるので、どうしても睡眠や休養などの面で課題が残ります。その点、代々木高校は、近隣に人工芝4面、天然芝1面を備える伊勢フットボールヴィレッジがあり、日中はほとんど使用されていないのでここで思う存分サッカーに打ち込み、しっかり休養や栄養を取ることも出来ます」
 
 中田氏の指導歴は多彩だ。下は保育園から上はJクラブまでの経験を持ち、逆に高校年代だけが抜け落ちていた。

「地元では複数の育成年代のチームの起ち上げに携わりました。ここでは2週間ほど夏休みを取りましたが、それだけでも子供たちの身長が伸びていることを実感できました。私たちの高校時代は、夏休みどころか正月も含めて年間ほとんど休みなくサッカーに打ち込むのが普通でした。しかし2週間だけでも、サッカーから離れてキャンプに出かけたり、勉強をしながらも友だちと遊んだりする時間を確保するだけで、リフレッシュの効果は十分に見て取れたんです」

 実は自身の四日市中央工高時代には、キャプテンとして城雄士監督に「月曜日をオフに」と直訴し、実現した。

「メリハリをつけた方が、土日の試合にもっと集中できると考えたんです。今改めて、メリハリは凄く大切だったと感じています」
 

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