【川崎】大久保嘉人と中村憲剛が絶賛した大卒ルーキーの「中野嘉大」。代表DF米倉を手玉に取ったドリブルは一見の価値あり

2015年10月04日

「中野選手を自由にさせ過ぎた」(岩下敬輔)

開始早々にドリブルで打開し、大久保のゴールをアシストした中野(22番)。1得点・1アシストの活躍を見せた。写真:徳原隆元

 
 2ゴールの大久保嘉人でもなければ、強烈ミドルを叩き込んだ中村憲剛でもない。G大阪戦で特大のインパクトを残したのは、紛れもなく22歳の大卒アタッカー・中野嘉大だった。
 
 特筆すべきは、満員の観衆も目撃した鋭いドリブルだ。スピードとテクニックが程良くブレンドされ、独特のリズムで相手を翻弄した。Jリーグ初ゴールを含む1得点・1アシストの結果もさることながら、いずれの場面においても、先日の日本代表メンバーに選出されたSB米倉恒貴を手玉に取ったところに意味がある。
 
 G大阪の選手が4日前に行なわれたACL準決勝の疲労を抱えていたとはいえ、"旬のSB"をいとも容易く攻略したのだ。米倉のカバーに回っていた岩下敬輔は、「中野選手を自由にさせ過ぎた。最初のワンプレーでやられたようなシーンを、その後にも2、3回作られて、点を取られた」と振り返る。
 
 開始1分、中野はファーストタッチで阿部浩之のマークを外すと、寄せてきた米倉を一瞬で抜き去りにして、ラストパス。ファーサイドで待ち構えていた大久保は合わせただけで、9割は中野のゴールと言ってもいい。大久保も「まさか中野があそこまでドリブルで行って、あそこに出せるとも思わなかった。『ナイス!』と思いながら走りました」と笑みをこぼした。
 
 大久保同様、中村もルーキーのプレーに賛辞を惜しまない。
 
「相手の布陣を見て、ウチのウイングバック(中野とエウシーニョ)がポイントだと思っていた。外が空くと思って、ファーストプレーで中野を使ったら、なんかアシストしたから『おっ!』と思って。彼はそこから乗ったね」
 

次ページ“そこ”にパスを通した中野と、“そこ”を狙っていた大久保。

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