過酷なアジアの戦いに挑む冨樫ジャパン。“中1日の4連戦”で世界への扉を開けるか【U-19代表】

2022年09月12日 松尾祐希

高温多湿で雨季の開催国ラオス。ピッチに苦戦する可能性も

U-20アジア杯予選に臨むU-19代表の予想布陣

 来年5月下旬からインドネシアで開催されるU-20ワールドカップ出場を目ざすU-19日本代表が、アジアの戦いに挑む。

 世界に打って出るためには、最終予選を兼ねた来年3月のU-20アジアカップへの出場権を掴むことが最低条件。9月12日に初戦を迎える予選で、1位もしくは各グループ2位の上位5チーム以内に入らなければ、世界への扉は開けない。

 今回の予選で対戦する開催国のラオス(12日)、グアム(14日)、パレスチナ(16日)、イエメン(18日)は格下の相手。力関係だけを見れば、日本の1位抜けは難しいミッションではないだろう。

 だが、簡単に勝たせてくれないのがアジアの戦いでもある。実際に過去の予選でも苦しんだ経験があり、冨樫剛一監督がコーチとして参加した前回大会の予選(U-19アジア選手権。U-20ワールドカップは新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止)では、最終戦でフィリップ・トルシエ監督が率いるベトナムにスコアレスドロー。勝点で並ばれながら得失点差によって1位抜けを確定させた。

 過去の経験を踏まえ、冨樫監督が危機感を口にしたのもそのためだ。

「前回の予選ではベトナムと分けているし、他のグループでも韓国も苦戦しました。そういう難しさも実際に出てきているなかで、(10日に行なわれた)ラオスの初戦(グアムに3-0)を見ても、やるぞというのを感じましたから。これはやっぱり現地に来て、一次予選を戦う人じゃないと分からない。これがアジアの難しさですね」
 
 また、U-19の世代は新型コロナウイルスの流行が拡大した影響で、U-16世代以降、海外遠征の経験がほとんどできていない。比較的恵まれている国内での活動ほか、今年の5~6月に出場したモーリスレベロトーナメント(旧・トゥーロン国際大会)などヨーロッパでの戦いを知る一方で、アジアの特異な環境で戦った経験はあまりない。

 特に今回のホスト国であるラオスは高温多湿の気候で、現在は雨季に当たる。そのため、スコールに見舞われるケースも珍しくない。5チームが総当たりで戦う今回は同じ会場を使って全試合を消化するため、大会を追うごとにピッチが荒れていくはず。

 前日練習で水捌けが悪いグラウンドを経験したとはいえ、ピッチに苦戦する可能性は決して小さくない。さらに今予選は中1日での連戦。大会前から冨樫監督はターンオーバーを採用する可能性に言及していたが、コンディション調整が難しくなるのは言うまでもない。ある意味、未知の領域で、勝利を掴んでいく作業は簡単ではないだろう。
 

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