【J1採点&寸評】広島×FC東京|「1-0」の美学が炸裂! 年間2位、3位対決はFC東京に軍配が上がる

2015年10月03日 小田智史(サッカーダイジェスト)

チャンスを逃し、事故的失点を喫する“負けパターン”に終わる。

【警告】広島=なし FC東京=太田(39分)、高橋(41分)
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】橋本拳人(FC東京)

【チーム採点・寸評】
広島     5.5
ボールを支配してサイドから攻め込んでいたが、チャンスを逃して相手に守備のリズムを与えてしまった。失点は"事故"的要素もあったとはいえ、堅守の相手をまたしても打ち崩せなかった点に不安が残った。
 
FC東京 6.5
綿密な広島対策を練ってきた成果で、選手の意思統一は完璧。ピンチを凌いでチャンスを窺い、先制点を手にしたらすぐさま自分たちの守備的スタイルにシフト。"ウノゼロ"(イタリア語で1-0)の必勝パターンに持ち込んだ。
 
【広島|採点・寸評】
GK
1 林 卓人 6
集中力を高く保ち、安定したセービングを披露。失点の場面はコースが変わってしまい、ノーチャンスだった。強いて言えば、スローイングの精度を上げてスムーズに攻撃へつなぎたい。
 
DF
4 水本裕貴 6
千葉のカバーリングは抜かりなし。前田にもほとんど仕事をさせなかったとはいえ、河野にペナルティエリアに入り込まれていたのは反省点だろう。
 
5 千葉和彦   
相手の2トップとボックス内で激しい駆け引きを展開。時折、オーバーラップに出て行く瞬間を狙われ、カウンターを受ける場面が見受けられた。
 
33 塩谷 司   
グラウンダーのロングパスを前線に供給して攻撃の起点になりつつ、少しでも間が空けば果敢にミドルシュート。日本代表復帰を勝利で祝えなかったことが悔やまれる。
 
MF
6 青山敏弘 5.5
序盤に何本か清水と佐藤に縦パスが入ったくらいで、相手の守備をこじ開けられず。全体のバランスを見てのコーチングも実らなかった。
 
8 森﨑和幸 5.5
前半は経験に裏打ちされた読みでFC東京にカウンターを許さず。ただ、逆にビルドアップ時には相手のプレスにパスコースを限定された。
 
9 ドウグラス 5.5
競り合いにはほとんど勝利。ボールをキープしながらミキッチに捌いて攻撃を展開したが、自身のシュートチャンスは仕留め切れなかった。
 
14 ミキッチ 6
鋭い突破で対面の太田をキリキリ舞いさせたものの、68分に右膝を痛めてトーンダウン。交代を余儀なくされ、試合後には患部がガチガチにテーピングで巻かれていた。次節に影響がなければいいが…。
 
27 清水航平 6
7節・柏戦以来のスタメン出場。柏離脱で巡って来たチャンスに燃え、推進力とキレのある動きを見せたが、クロスにはもう少し工夫が欲しかった。84分にゴールネットを揺らしたゴールも、直前のファウルで幻に。
 
30 柴﨑晃誠 5.5
気の利いたポジション取りで次々とゴール前に顔を出した。ペナルティエリア内で訪れた2度のシュートチャンスのうち、1本でも決めていれば試合はもっと楽だった。
 
FW
11 佐藤寿人 5.5
ファーストプレーで胸トラップ→シュートを狙い、ゴールへの意欲を示すも、その後はFC東京が誇る日本代表CBコンビに行く手を阻まれた。記録達成にリーチをかけてから4試合連続ノーゴール。
 
交代出場
FW
29 浅野拓磨 5.5
87分、ゴール前のこぼれ球にいち早く反応して右足を振り抜くも、ボールが揺らしたのは惜しくもサイドネット。チームを敗戦から救えなかった。
 
MF
16 山岸 智 6
故障を乗り越え、虎視眈々とチャンスを狙っていたベテランWBが今季リーグ戦初出場。カットインからのクロスは精度も高かった。
 
MF
24 野津田岳人 ―
反撃モードで攻撃のギアが上がった83分に登場。他の選手がミドルを狙った影響でボールを受けられず、プレー機会も少なかった。
 
監督
森保 一 5.5
柏離脱の影響を感じさせず、同点に追い付くべく交代カードもすべて使い切ったが……。「堅守の相手を打ち崩す」という命題にぶつかっている。

次ページ先制点を“演出”した橋本がMOM。河野、高橋も見事にタスクをこなす。

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