【第2ステージ・ラスト5のシナリオ】広島編|全勝で第2ステージ・年間勝点でダブル1位を狙う

2015年09月29日 小田智史(サッカーダイジェスト)

指揮官が求める粘り強い戦いができれば、5戦全勝も十分可能だ。

左足ハムストリングを痛めていた柴﨑が10節・山形戦で復帰。タメを作れるバランサーが戻り、速攻と遅攻をより効果的に使い分けられるようになった。 写真:田中研治

ポイント1)現時点の目標と、目標到達に必要な勝点は?
チャンピオンシップ出場・第2ステージ優勝/勝点12(4勝0分1敗ペース)
 
 第一目標はチャンピオンシップ出場だ。年間3位以内には勝点8の"貯金"があり、大崩れしなければ出場権は得られるだろう。もうひとつのチャンピオンシップへの道であるステージ優勝の観点から見ても、2位の鹿島とは3ポイント差(得失点差12)、3位の浦和とは5ポイント差(得失点差17)開いており、仮に1敗して相手が全勝したとしても、おそらく得失点差で逃げ切れる。当面のノルマは、今のペースをキープするといったところか。
 
 
ポイント2)ラスト5試合に向けて現状の強み、好材料は?
 
 8節・新潟戦からの5試合(4勝1分)、圧倒的な内容で完勝したという試合はない。ただ、森保監督が掲げてきたハードワークと粘り強い守備をベースに流れを引き寄せ、勝利をもぎ取る試合巧者ぶりが目を引いた。第2ステージに入ってからはカウンターが得点源となっているが、柴﨑の復帰で速攻に加えて遅攻でもチャンスを作っており、攻撃のバリエーションは増加。相手にとっては的が絞りづらい状況と言えよう。
 
ポイント3)累積警告や怪我人などの懸念材料は?
 
 左WBの柏が9月29日の練習中に左膝内側側副靭帯を損傷。不動のレギュラーが離脱したのはもちろん痛いが、シーズン最終盤には戻って来られる見込みなのは不幸中の幸いだ。ミキッチのターンオーバー役を担ってきた清水も控えており、今の選手層をもってすればチームコンセプトが揺らぐことはない。逆に気にかかるのは、森﨑浩の状態か。11節の鳥栖戦で故障から復帰したものの、続く清水戦では内転筋に違和感を覚えて出場を回避。酸いも甘いも知り尽くすベテランアタッカーは貴重な存在だけに、なんとか再離脱は避けたいところだ。

次ページ成長著しいスーパーサブの浅野が終盤戦のキーマンに。

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