【移籍市場超速報】ロシアのクリミア併合で、ウクライナ・サッカーはどう変わる?

2014年03月25日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

イタリア代表のプランデッリ監督が契約延長。EURO2016まで。

「プーチンよ、ウクライナに手を出すな」とのメッセージを掲げ、ロシアのクリミア併合に抗議するサッカーファン。ウクライナのサッカーは、どう変わるのか。 (C) Getty Images

【ウクライナ】ロシアによるクリミア併合でウクライナ・サッカーはどう変わる?

 ロシアがクリミア半島の併合を決めたことで、サッカー界も小さくない影響を受ける。ウクライナ・サッカー連盟のアナトリー・コンコフ会長は、現在ウクライナ・プレミアリーグに参加している2チームは、そのままシーズン終了までリーグに留まるよう要請しており、ロシア・サッカー連盟のヴィタリー・ムトコ会長も、UEFAとFIFAの決定に従うと明言している。クリミア半島からウクライナ・プレミアリーグに参加しているのは、FKセバストポリとSKタフリヤ・シンフェロポリ。現在は16チーム制の同リーグでそれぞれ12位、15位につけている。

 下部リーグに関しては、2部リーグにクリミアのクラブはなく、3部リーグにFCタイタン・アルムヤンスクが参加している。同リーグの後半戦は3月29日から再開する予定で、FCタイタン・アルムヤンスクがリーグに参加するかどうかはまだ未確定だ。アマチュアレベルでは、来シーズンからすべてのチームがウクライナからロシアのサッカー連盟に移る見通しだ。

【ウディネーゼ】来シーズンからリエラの加入が決定

 ウディネーゼはオフィシャルサイトを通して、1月までガラタサライでプレーしていた元スペイン代表の左ウイング、アルベルト・リエラの、来シーズンからの入団を発表した。2000年にマジョルカからデビューしたリエラは、その後ボルドー、エスパニョール、マンチェスター・シティ、リバプール、オリンピアコス、ガラタサライでプレー。スペイン代表では18試合・4ゴールという記録を残している。今シーズンは出場機会が少なく、1月末を持ってガラタサライとの契約を解除してフリーになっていた。

【ミラン】バルバラ・ベルルスコーニ副会長「セードルフを選んだのは父」

 ミランのバルバラ・ベルルスコーニ副会長は、3月29日発売のサッカー誌『Four Four Two』のインタビューで、次のように語っている。

「この数か月間、アドリアーノ・ガッリアーニ(副会長)との間に厳しい議論と対立があったけど、いまはそれをポジティブに受け止めています。クラブのすべての領域にわたる有益かつ建設的な議論であり、その結果はミランの未来に大きな変化をもたらしてくれるでしょう」

「狙いは、若いタレントをトッププレーヤーになる前に発掘して育てることです。クラブの売上高を伸ばすことも、私たちにとってもっとも重要な戦いのひとつ。それが実現して初めて、独立採算を保ちながらトッププレーヤーを獲得できる体制が整います。具体的な結果が出るまでには少なくとも3年はかかるでしょう。セードルフ? 彼を選んだのは父(オーナーのシルビオ・ベルルスコーニ)です」

【イタリア代表】プランデッリ監督、2016年まで契約を更新

 イタリアの大手通信社『ANSA』は、イタリア代表のチェーザレ・プランデッリ監督が、今年7月末までの契約を2年間延長し、2016年まで更新したことを伝えた。プランデッリ本人はANSAに対して次のようなコメントを出している。

「いまの状況に心から満足している。サッカー連盟が、ワールドカップの結果にかかわらず契約の2年延長をオファーしてくれた事実は、私にとって大きな誇りだ。喜んでこの仕事を続けて行きたい」

【翻訳:片野道郎】
【翻訳者からのごあいさつ】
 イタリアのスポーツ専門局『SkySport』を舞台に活躍するジャンルカ・ディ・マルツィオは、移籍専門記者という新たなジャンルを独力で切り開いた草分けにして、他をまったく寄せ付けないトップランナーです。

 イタリア国内ではすでに数年前から超メジャーな存在でしたが、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラ監督のバイエルン入りという大スクープをものにして、一躍ヨーロッパ中でその名を知られるようになりました。その後も、ウィリアン(当時シャフタール・ドネツク)がトッテナムからチェルシーに寝返った顛末など、イタリアにいながらワールドワイドな移籍情報をいくつもスクープしています。

 セリエAから下部リーグまで各クラブの会長やスポーツディレクターはもちろん、代理人からスカウトまで膨大な関係者と緊密なネットワークを持ち(iPhoneのアドレス帳には3000人以上のコンタクトが入っています)、他の記者には絶対入手できないディープな情報をキャッチ。素晴らしいのは、しっかり裏が取れるまでは決して情報を出さないところです。

 ご存じの通り、世界中を飛び交っている移籍関連ニュースの大半は、誰かの願望や思惑に基づくただの噂でありそれ以上ではありませんが、ディ・マルツィオが発信するニュースは、すべて彼自身のプライドがかかったガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではありません。移籍ネタに関しては、どんなにありそうな話でもディ・マルツィオが書くまでは嘘か本当かわからない、どんなにあり得ない話でもディ・マルツィオが書いたら本当、というのが、もはやこの業界の常識になっているくらいです。

 ツイッターのフォロワーは全世界で約30万人。日本では13年7月から『ワールドサッカーダイジェスト』誌に連載コラムを寄稿しています。先月、この連載を休載した時には、日本のフォロワーからいくつも問い合わせのリプライが飛んで来たほどの人気です。

 そんなディ・マルツィオのオフィシャルサイト『gianlucadimarzio.com』から、移籍関連を中心とする最新ニュースを毎日厳選してお伝えするのがこのコーナー。サプライズはあっても「ガセ」はありませんから、安心してお読みください。(片野道郎)
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事