【千葉】昇格は風前の灯火か…。隠し切れない上位陣との差

2015年09月27日 本田健介(サッカーダイジェスト)

序盤は理想的な展開もゴールを奪えず…。

大宮との大一番に敗れた千葉。試合後、選手たちは大きくうなだれた。(C) J.LEAGUE PHOTOS

 良い意味でも悪い意味でも、まさに千葉らしいゲームだった。
 
 J2・34節、首位・大宮との大一番は最高の立ち上がりを見せた。ボランチの佐藤健とパウリーニョはテンポ良くボールを回し、両サイドの水野とN・ペチュニクは果敢にドリブルを仕掛ける。2トップの森本と松田は積極的に裏を狙い、30分まではゲームを完璧に掌握していた。能力の高い選手たちが噛み合えば、これほどまで良いサッカーができるのかと、驚きを覚える出来だった。
 
 しかし、いつものことながら、得点を奪い切れず、守備陣も耐えられない。
 
 30分、横谷にバイタルエリアでボールを持たれると、ムルジャへのスルーパスを許して失点。後半立ち上がりには、泉澤と家長のワンツーで最終ラインを突破され、家長のシュートのこぼれ球を和田に詰められた。
 
 終了間際にはオナイウが一矢報いるが、1-2の敗戦。長崎が勝利したために順位は8位に転落し、6位以内の昇格プレーオフ圏がまたも遠ざかった。
 
 残りは8試合。4位の福岡とは勝点8差、5位東京Vとは勝点3差と、上との差を考えれば、まだ挽回は可能だ。しかし、その先に待つプレーオフを念頭に置けば、昇格へは正直、厳しい状況だと言わざるを得ないだろう。
 
 前節時点では昨季と同じ7位。しかし、昨季はそこから6勝2分1敗と、ハイペースで勝点を重ね、3位でアドバンテージ(準決勝が免除)を得ながら昇格プレーオフへ進出した。それでも、念願のJ1復帰は叶わなかった。ここ3年、敗退を繰り返しているプレーオフは千葉にとって言わば鬼門であり、勢いでは突破できないのは分かっている。
 
 大宮戦後、守備の要の富澤は語る。
 
「(大宮戦は)気持ちは入っていたけど、やはりC大阪や磐田なども含め、強いチームとやるとうちは最後まで行けない。経験のあるチームからはなかなか点を奪えない」
 
 この言葉が今のチームの状況を端的に示している。プレーオフには、大宮、磐田、C大阪のどこか1チームは必ず回ってくる。その時、どう立ち向かうのか。ここからの8試合、今こそチーム全員の奮起が求められるだろう。例年どおりのバッドエンディングを迎えないためにも、少しでも上位との力の差を埋めたい。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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