INAC神戸が千葉Lに3-2勝利! WEリーグ初代女王が今季公式戦初戦で得た手応えと課題

2022年08月21日 西森彰

ニューカマーの愛川が全ゴールに絡む働き

I神戸は阪口の3ゴールなどで、千葉L 戦を3-2で下し、今季公式戦初戦を勝利で飾った。(C)J.LEAGUE

[WEリーグ杯GS第1節]I神戸3-2千葉L/8月20日/J-GREEN堺S1メインフィールド

 WEリーグカップは8月20日、グループステージの第1節を開催。小雨が降ったり止んだりの天候のなか、J-GREEN堺で実施されたINAC神戸レオネッサ対ジェフユナイテッド市原・千葉レディースは、前半に3点を奪ったI神戸が、相手の反撃を抑えて3-2で逃げ切った。

 昨季は、リアクション主体のサッカーでリーグ優勝を勝ち取ったI神戸。5バックで構えるスタイルは、ひとつの引き出しとして現在もチームに残っている。そのうえで、なでしこジャパンと共通性のある、前方からボールを奪いに出るサッカーへの移行に取り組む道半ば、今年5月に星川敬前監督(→Y.S.C.C.横浜/J3)がチームを去った。

 後任を務めるのは、現役時代にJリーグのヴィッセル神戸などでプレーした朴康造監督。前キャプテンの中島依美(マイナビ仙台レディースへ移籍)のように新天地を求めた選手もいるなか、WEリーグ初代女王の称号は残る。昨シーズンの栄光は、プレッシャーにもつながるのではないだろうか。
 
 そんななか、今季初の公式戦で朴監督は、両ウイングバックを高いポジションに置いて、前がかりにボールを奪いにいった。

「両ウイングバックは高い位置を取り、そこを使えれば使うというのは指示として出していた。そこは前半、うまくいきました」と朴監督。11分の先制点は、ボールの預けどころを探した相手GKに、愛川陽菜がフォアチェックをかけてコースを限定し、ボールを奪った阪口萌乃がゴールを決めた。25分のチームの3点目も、相手の最終ラインのボール回しが乱れたところを愛川が奪い、そこから阪口が決めた。

 またU-20女子ワールドカップに出場している選手や故障者をオミットして「今日の試合を勝つために最善のメンバーを選んだ」と朴監督は語った。「(練習から)FWとして得点にこだわっていた」(愛川)という動きの良さを買って、神村学園高より今季加入したニューカマーの愛川を公式戦で初めて先発起用。トップで出場した愛川は、17分に田中美南のパスからI神戸での初ゴールも奪い、前述したように阪口の2得点を引き出すなど、全ゴールに絡む働きを見せた。
 

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