「シュバインシュタイガーを忘れたのか」カゼミーロ獲得合意のマンU、一部のファンは苦言「未来を考えていない」

2022年08月20日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

セントラルMFの補強は急務だった

マンチェスター・U加入が決定したカゼミーロ。危機的状況の名門クラブを救うことはできるか。(C)Getty Images

 セレソンの経験豊富なMFは救世主となれるのだろうか。

 新たにエリク・テン・ハーフ監督を迎えたマンチェスター・ユナイテッドが苦しんでいる。開幕からの2試合はブライトン、ブレントフォードと格下相手にそれぞれ、1-2、0-4で敗戦。まだ2節を消化した時点とはいえ、プレミアリーグで最下位に沈んでいるのだ。

 大きな要因と言えるのが移籍市場での体たらくだ。とくに指揮官が獲得を熱望したフレンキー・デヨング(バルセロナ)、合意間近に迫ったアドリアン・ラビオ(ユベントス)を取り逃したセントラルMFの補強は急務。実際にこの2試合でフレッジやスコット・マクトミネイが力不足を露呈している。

 そんななか、突如として獲得候補として名前が浮上したのが、レアル・マドリーの不動のアンカーであるカゼミーロだった。両クラブから合意が発表さえ、メディカルチェックを経て正式契約となる。

 まさに急転直下とも言えるワールドクラス獲得内定のニュースに、多くのマンチェスター・Uファンは期待に胸を膨らませているが、その一方で否定的な見方をしているファンも少なくない。

 現在30歳のカゼミーロに対して、ユナイテッドは4年契約(プラス1年のオプション)を結ぼうとしているようだが、「長期的な解決策にはならない」、「30代の選手との4年契約は問題」だといった類いの批判がSNS上で飛び交っているのだ。
 
 なかには、2015年にバイエルンから鳴り物入りで加入したドイツ代表MFのバスティアン・シュタイガー(当時31歳)を例に挙げてこんな批判も展開されている。

「選手を売る必要のないクラブ(マドリー)から、再販価値のない30歳の選手と契約するなんて。我々はシュバインシュタイガーから何も学んでいないようだ……」

 たしかにシュバインシュタイガーは、右膝内側靱帯部分断裂の大怪我を負った影響はあったものの、在籍2年間でリーグ戦わずか18試合の出場に留まり、最後はジョゼ・モウリーニョ監督の構想外となるなど、残念な形でチームを去っている。

 ただ、ライバルであるチェルシーも今夏に31歳のカリドゥ・クリバリと4年契約を結び、マンチェスター・シティも昨年に当時30歳だったケビン・デ・ブルイネと4年間の契約延長を結ぶなど、現在のサッカーシーンでは30代前半の選手と長期契約を結ぶのは珍しくはない。

 はたしてカゼミーロは、ここ数シーズン効果的な補強ができていないフロントに半信半疑になっているユナイテッド・ファンを、納得させることはできるだろうか。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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