【FC東京】待っているのは称賛か、批判の嵐か。「歴史を変える」戦いがここから始まる

2015年09月27日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

次節に戦う広島は越えなければいけない壁。

前田は勝負どころでゴールを奪うシーンが増えてきた。「歴史を変える」ためにこのストライカーの活躍はひとつの鍵だろう。写真:田中研治

 なかなかペースを握れなくても、焦らず、崩れず、松本に完封勝利。内容で圧倒したわけではないが、勝負どころでゴールを決めて白星をかっさらうあたりは、今季のFC東京らしかった。

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「相手のミスに助けられた部分もある」とコメントした羽生も、「それでも勝てたので次につながった。残留を争う松本を下して、自分たちが上位に行きたいという気持ちは示せた」と結果についてはポジティブに捉えていた。
 
 確かに、この勝利は大きい。前節の横浜戦で黒星を喫したダメージを引きずらず、格下と目された松本を退けたことで、第2ステージは首位・広島に勝点7差の5位、年間成績では3位をキープ。残り5試合でリーグ制覇(第2ステージ制覇はもちろん、チャンピオンシップ優勝も)の可能性を残しているのだ。
 
 ただ、松本戦の勝利をぬか喜びにしないためにも最後まで上位陣に食らいつきたい。ラスト5試合の対戦相手は、戦う順に広島、湘南、浦和、柏、鳥栖。注目はやはり、次節だろう。なにしろ、広島はFC東京が今季リーグ戦で唯一逆転負けしているチームだからだ。
 
 FC東京がリーグ制覇という未知の世界に足を踏み入れるには、広島は越えなければいけない壁である。松本戦で前田の決勝弾をアシストした太田も、アウェーの広島戦に向けて気合い十分だ。
 
「広島に苦手意識みたいなものはあるかもしれないけど、だからこそ勝った時は最高の気分になれる。アウェーで最高の喜びを味わいたい」
 
 またベテランの羽生は落ち着いた口調で、今後の戦いに向けてこう述べた。
 
「(年間4位の)G大阪も今日は負けていないので、ここからはうちももう落とせない。(広島戦は)アウェーで難しい試合になると思いますが、結果を残さないといけない。
 
FC東京はクラブとしてリーグタイトルが懸かるようなプレッシャーを経験していないので、もっと上に行きたいという意思を皆で見せたいです。今やっていることが正しいかどうか、それは分かりませんが、歴史を変えるためにはしっかりと振る舞っていかないといけない」
 
 

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