189センチの長身CB、早生まれのテクニシャン、世代別代表の常連。U-19代表の“最後の仕上げ”で可能性を示した逸材たち

2022年08月18日 松尾祐希

選手層拡充のため、さらなるアピールが求められた

189センチの東は空中戦で強さを発揮。正確な縦パスなどビルドアップも魅力だ。写真:徳原隆元

 来年3月に行なわれるU-20アジアカップ(U-20ワールドカップの最終予選)の出場を懸けた予選が、9月10日からラオスで開催される。残された準備期間は約1か月。最後の仕上げをするべくU-19日本代表は8月15日から3日間の日程でキャンプを実施。最終日となった17日は千葉県内でU-19ベトナム代表と40分×3本の形式でトレーニングマッチに臨み、トータルスコア5−0で勝利した。

 今回、招集された選手は25人。さらに今合宿に参加できなかった面々も数人おり、23人のメンバー入りを争う枠は熾烈を極める。冨樫剛一監督はアタッカー陣の組み合わせを試しながら、FWの選手に縦パスを入れる形で攻撃を展開するパターンを今合宿で試みてきた。

 また指揮官がもうひとつ試みていたのが、複数ポジションをこなせるかどうかだった。「サイドバックのところなど、想定されるとしたら現地に行ってコロナの影響で選手が1人減るとかは多分にあり得る」とは冨樫監督の言葉。現地に赴けば、選手の入れ替えはできないし、どんなアクシデントがあるか分からない。

 今はコロナ禍の真っ只中。中1日で4試合を戦うことを考えれば、感染者が出れば大会期間中に復帰できる見込みは小さい。実際に6月の U-23アジアカップでは複数の選手が離脱しており、U-19代表も5月下旬から参戦したモーリスレベロトーナメント(旧トゥーロン国際大会)では冨樫監督が初戦の前に離脱し、最終戦しか指揮が執れなかった。
 
 不測の事態は起こり得るし、予定していた選手がメンバー発表直前で離脱することも想定される。そうした意味で今合宿では選手層を拡充するためにも、個々でさらなるアピールが求められていた。

 その観点から見て、今回のトレーニングマッチで可能性を大きく示した選手が3人いる。1人目がCBの東廉太(FC東京U-18)だ。189センチの高さを生かした守りに定評があり、アルベル監督からの薫陶を受けて2種登録ながらすでにルヴァンカップに4試合出場。J1の舞台も1試合経験している。
 

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