60分過ぎには得点機を迎えたマインツだったが、活かせず…。
目に見える結果は残せなかったものの、精力的な動きとフィジカルの強さは健在だった武藤。戦術理解度や周囲との連係も高まる一方で、試合を重ねるたびに次戦への期待は高まっていく。 (C) Getty Images
ほとんどの時間帯で主導権を握っていたのは、開幕2連勝後によもやの3連敗を喫していたレバークーゼン。ボールサイドに極端に人数を割くプレッシングや鋭い出足を拠り所に、マインツに時間とスペースを与えず、立ち上がりからゲームを優位に進める。
DFを1人抜いてから放ったチャルハノールのフィニッシュ(8分)を皮切りに、前半だけで10本以上のシュートチャンスを作り出した。
その攻撃時に冴えていたのが、右サイドからの仕掛け。2トップの一角に入ったベララビが頻繁にタッチライン際に流れては、右サイドハーフのカンプルや右SBのドナーティと絡みながら、守備にやや難があるマインツの左SBベングトソンの攻略に成功していた。
23分には、ベララビのクロスからエルナンデスを経由して、オーバーラップした左SBのウェンデウがゴールに迫る。そして38分には、やはりベララビが個人技からフィニッシュ。しかし、ゴール前で身体を張るマインツのDF陣や守護神の抵抗に遭い、結局、スコアを動かせないまま前半を折り返す。
一方、後手に回っていたマインツは、ハーフタイムを境にやや勢いに乗る。49分に初シュートを放つと、62分には決定的なチャンスを創出。武藤のフォアチェックでボールを奪い、最後はマッリがGKと1対1の局面を迎えたのだ。
この好機は惜しくも逃してしまうが、6分後には再びビッグチャンスが到来。相手CBラマーリョをいなした武藤がスピードに乗ったドリブルでエリア内に侵入し、ゴール前に秀逸なラストパスを供給したのである。ただ、この決定機もマッリがフイにしてしまった。
すると69分、レバークーゼンに歓喜の瞬間が訪れる。
敵陣でドリブルを仕掛けたエルナンデスが、軽い守備対応を見せたマインツの2ボランチ(ラッツァとバウムガルトリンガー)をあっさりとかわして、エリア手前から思い切りの良いシュート。この弾道がエリア内に走り込んでいたチャルハノールに当たり、ネットに吸い込まれていったのである(公式記録はエルナンデスのゴール)。
1点を追うことになったマインツは、81分に武藤を下げて、同じく新戦力のCFコルドバを投入。しかし、60分過ぎに訪れた2度の決定機を再現するような場面は作れず、そのままレバークーゼンの軍門に降った。
0-1の点差以上の完敗だった印象は否めないが、個人に目を向ければ、日増しに成熟度を高めている武藤とマッリの前線ペアは、格上の守備陣にも十分に通用。ドイツメディアが名付けたその「M&Mコンビ」が、今後もチームの攻撃を力強く牽引しそうだ。
文:遠藤孝輔
DFを1人抜いてから放ったチャルハノールのフィニッシュ(8分)を皮切りに、前半だけで10本以上のシュートチャンスを作り出した。
その攻撃時に冴えていたのが、右サイドからの仕掛け。2トップの一角に入ったベララビが頻繁にタッチライン際に流れては、右サイドハーフのカンプルや右SBのドナーティと絡みながら、守備にやや難があるマインツの左SBベングトソンの攻略に成功していた。
23分には、ベララビのクロスからエルナンデスを経由して、オーバーラップした左SBのウェンデウがゴールに迫る。そして38分には、やはりベララビが個人技からフィニッシュ。しかし、ゴール前で身体を張るマインツのDF陣や守護神の抵抗に遭い、結局、スコアを動かせないまま前半を折り返す。
一方、後手に回っていたマインツは、ハーフタイムを境にやや勢いに乗る。49分に初シュートを放つと、62分には決定的なチャンスを創出。武藤のフォアチェックでボールを奪い、最後はマッリがGKと1対1の局面を迎えたのだ。
この好機は惜しくも逃してしまうが、6分後には再びビッグチャンスが到来。相手CBラマーリョをいなした武藤がスピードに乗ったドリブルでエリア内に侵入し、ゴール前に秀逸なラストパスを供給したのである。ただ、この決定機もマッリがフイにしてしまった。
すると69分、レバークーゼンに歓喜の瞬間が訪れる。
敵陣でドリブルを仕掛けたエルナンデスが、軽い守備対応を見せたマインツの2ボランチ(ラッツァとバウムガルトリンガー)をあっさりとかわして、エリア手前から思い切りの良いシュート。この弾道がエリア内に走り込んでいたチャルハノールに当たり、ネットに吸い込まれていったのである(公式記録はエルナンデスのゴール)。
1点を追うことになったマインツは、81分に武藤を下げて、同じく新戦力のCFコルドバを投入。しかし、60分過ぎに訪れた2度の決定機を再現するような場面は作れず、そのままレバークーゼンの軍門に降った。
0-1の点差以上の完敗だった印象は否めないが、個人に目を向ければ、日増しに成熟度を高めている武藤とマッリの前線ペアは、格上の守備陣にも十分に通用。ドイツメディアが名付けたその「M&Mコンビ」が、今後もチームの攻撃を力強く牽引しそうだ。
文:遠藤孝輔