【J1採点&寸評】松本×山形|残留争いのライバル同士の対決は、点の取り合いの末、勝点1を分け合う結果に

2015年09月23日 大枝 令

エリア内でのファウルでPKを取られた酒井への判定は微妙だったが…。

【警告】松本=安藤(11分)、酒井(34分)、オビナ(72分) 山形=宇佐美(23分)、キム・ボムヨン(73分)
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】工藤浩平(松本)

【試合内容】
 序盤は松本が出足鋭く主導権を握り、7分にキム・ボギョンの左クロスに岩上が合わせてリードを奪う。一方の山形は35分、CKのチャンスにエリア内で高崎が倒されてPKを獲得。これをディエゴが決めて1-1の同点とする。
 
 追いついた山形は、後半はホームチームの圧力にやや押され気味の展開も、83分にカウンターからキム・ボムヨンがミドルシュートを叩き込んで逆転に成功する。しかしその3分後、松本は交代出場の前田が得意の左足で同点ゴールをゲット。
 
 結局、スコアは2-2のままタイムアップ。残留争いのライバル同士の対戦で、ともに勝点3がどうしても欲しかったが、激しい点の取り合いの末、痛み分けとなった。

【チーム採点・寸評】
松本 5.5
中2日の条件は山形と同じだったが、ホームの利は間違いなくあったはず。それを活かし切れず、勝点1で終わったのは負けにも等しい。ただ、途中加入のキム・ボギョンがさらにフィットしてきて攻撃面で威力を発揮したのは、今後に向けてプラス材料となるはず。
 
山形 5.5
アウェー2連戦という厳しい条件下でも必死に勝点3を狙ったが、思惑どおりにはいかず。PKで追いついて、さらに逆転に成功したものの、直後にパワープレーで押し込まれてリードを守り切れなかったのは痛恨だった。
 
【松本|採点・寸評】
GK
1 村山智彦 6
出番自体は少なかったが、集中を切らさないでよく守った。PKとミドルで2失点を喫したものの、PKを責めることはできない失点だった。
 
DF
11 喜山康平 6
素早いチェックで相手の自由を奪い、安定感のあるビルドアップを披露。3バックの左も板についてきた。
 
4 飯田真輝 5.5
細目なラインコントロールで最終ラインを統率し、空中戦でも自慢の高さを発揮。とはいえ、失点を防ぐだけの頑丈さには欠けたと言えよう。
 
30 酒井隆介 5.5
ジャッジは微妙だったが、35分にエリア内での高崎へのファウルで、同点とされるPKを献上。流れのなかでは危なげなく守っていたのだが……。
 
MF
5 岩間雄大 6
相手のカウンターを遅らせ、危険なスペースを地道に埋めるなど黒子役に徹し、中盤の底でチームを鼓舞した。
 
3 田中隼磨 5.5
主戦場の右サイドで上下動を繰り返し、後半は特にスペースへの走り込みが目立った。しかし、欲しいボールが来なくて苛立つシーンも。
 
8 岩上祐三 6
長い距離を走り、左足のワンタッチシュートで先制ゴール。その後も攻守にわたり、エネルギッシュに走り回った。
 
26 キム・ボギョン 6
チームのスタイルにフィットしているのがうかがえるパフォーマンス。特に攻撃面では違いを見せていた。
 
36 安藤 淳 6
左ウイングバックとして攻撃にも守備にも関与し、存在感を発揮。判断力をさらに上げて、決定的な仕事をこなせれば、なおベター。
 
FW
23 工藤浩平 6
キム・ボギョンと息の合った連係を見せ、脅威を与えた。相手の攻撃の起点を潰す献身的なディフェンスも光った。
 
9 オビナ 5.5
連戦の影響か、時間の経過とともに沈黙。ロングボールの処理で先手を取れず、ポストプレーの精度も今ひとつだった。
 
交代出場
FW
22 前田直輝 6
交代出場した直後にチームは失点したが、気落ちせず、イメージどおりのシュートで同点弾。勝点1をもたらす貴重な働きを見せた。
 
MF
20 石原崇兆 ―
9試合ぶりの出場。ただ、プレータイムは限られたもので、持ち味のスピードでかき回す機会にほとんど恵まれなかった。
 
FW
10 塩沢勝吾 ―
石原とともに84分に投入される。泥臭くプレーに絡んで、前線の起点となる役割は果たしたが、求められる仕事はこなせなかった。
 
監督
反町康治 5.5
至上命題だった勝点3を奪えず、これで3試合連続のドロー。いずれも早い時間帯に先制しておきながら、今回もまたリードを守り切れなかった。

次ページ2点目の起点にもなった小椋は、やっかいなひとりだった。

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