難敵を圧倒して開幕5連勝!! その原動力は間違いなく香川だ――ドルトムント 3-0 レバークーゼン

2015年09月21日 遠藤孝輔

的確なロングパスで先制点を演出し、2節以来のゴールも記録。

香川は巧みな位置取りでボールを受け、冷静にGKの動きとシュートコースを見極めて貴重なゴールを決めた。 (C) Getty Images

 激しいプレッシングを持ち味とするレバークーゼンを向こうに回しても、ドルトムントはまるで動じなかった。
 
 前半に展開したのは、ドイツ代表のレーブ監督がかねてより志向してきた"テンポフットボール"で、一人ひとりのボール保持時間が極端に短く、ポンポンとボールを回してはチャンスを創出。7分には香川からオーバメヤン、ムヒタリアンとダイレクトにパスが渡り、この日、22本を放つことになるシュートの1本目が生まれた。
 
 選手個々の判断力と動き出しが冴え、序盤から主導権を握ったドルトムントは、15分、18分にも好機を作り出し、19分にはカウンターからゴールをこじ開ける。
 
 自陣でボールを奪うと、前を向いた香川がオープンスペースにロングボールを供給。このパスが相手GKレノの飛び出しのミスを誘い、受け手のホフマンが難なくゴールに流し込んだ。
 
 防戦一方のアウェーチームは、その直後に決定機を迎える。いかにもレバークーゼンらしい複数人による囲い込みでギュンドアンからボールを奪った直後、DFライン裏に抜け出したエルナンデスに決定的なパス。しかし彼はこれを、キックミスでフイにしてしまった。
 
 レバークーゼンにとって悔やまれるのは、エルナンデスの不出来。52分、後半から2トップの一角を担ったベララビの素晴らしいラストパスを受けて、再び相手GKと1対1の局面を迎えるも、メキシコ人ストライカーはゴールネットを揺らすことができなかった。
 
 すると58分、2度の決定機を凌いだドルトムントが待望の追加点を挙げる。
 
 右サイドの高い位置でボールを持ったホフマンから中央のギュンドアンにボールが渡ると、ムヒタリアンを経由して、最後は香川が足先でフィニッシュ。ブンデスリーガでは2節のインゴルシュタット戦以来、3試合ぶりとなる香川の一発で、欲しかった2点目を奪うことに成功した。
 
 さらに73分には、相手の左SBウェンデウのトラップミスを見逃さなかったギンターが、そのブラジル人のファウルを受けてPKをゲット。これをオーバメヤンが確実にモノにして、スコアを3-0とする。
 
 完全に戦意を喪失した印象のレバークーゼンに対し、ドルトムントはその後も攻勢の手を緩めない。76分にはヤヌザイ、90分にはカストロと、途中出場した新戦力ペアがあわやゴールというチャンスを迎えた。
 
 難敵レバークーゼンを攻守に圧倒したドルトムントは開幕5連勝を飾り、がっちりと首位をキープ。その最大の原動力となったのが、1ゴール・1アシストの活躍を見せた香川だったことに異論を挟む余地はないだろう。
 
文:遠藤孝輔
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