【J1採点&寸評】清水×浦和|攻守の連動性で圧倒され、清水が浦和に完敗

2015年09月20日 増山直樹(サッカーダイジェスト)

清水は2トップ頼みの単調な攻撃に終始し…。

【警告】清水=なし 浦和=那須(83分)
【退場】清水=なし 浦和=なし
【MAN OF THE MATCH】武藤雄樹(浦和)

【試合内容】
 浦和の変則的なシステムに戸惑った清水は、28分にFKの流れから失点する。しかしその10分後、大前のコーナーキックに鄭が合わせて同点に。その他にも互いに決定機を作った前半は、ほぼ互角の内容と言えた。
 
 それでも、清水は後半の早い時間帯で2点目を失うと、焦りからかリズムを崩していく。時間を追うごとにP・ウタカと鄭の個人技頼みの縦パスが増え、余裕を持って守備を固める浦和に撥ね返される展開が続いた。
 
 そして66分、カウンターから武藤にゴールを許して勝負あり。清水はロスタイムにもトドメの4点目を食らい、終わってみれば1-4。残留が遠のく手痛い大敗を喫した。
 
【チーム採点・寸評】
清水 4.5
一人ひとりは戦っているが、攻守両面で連動性が低く、非効率的。決め切れず、守り切れないのでは評価できない。
 
浦和 6.5
やや変則的に映る布陣ながら、サイドアタックが滑らかな"いつもの浦和"。連係の高い完成度は、清水と対照的。
 
【清水|採点・寸評】
GK
21 杉山力裕 5.5
4失点はすべてノーチャンスに近く、GKを責めるべきではない。不満が残るとすれば、最終ラインとの連係か。
 
DF
16 六平光成 5.5
P・ウタカにミドルレンジのパスを送り、決定機を演出した48分のシーンがハイライト。それ以外は攻守ともにパッとせず。
 
45 角田 誠 5.5
大量失点に関わらず及第点に近いのは、個人でやられたシーンがほぼなかったから。空中戦でも心強かった。
 
3 平岡康裕 5
角田に比べ、興梠に振り回されるシーンが目に付く。背後への対応や鎌田とのマークの受け渡しにも不安を覗かせた。
 
26 鎌田翔雅 5
攻撃に絡む意欲は見せたが、周囲と噛み合わず。自ら与えたFKで、ほぼオウンゴールのような形で先制点を献上。
 
MF
7 本田拓也 5.5
中央の危険なスペースに陣取り、リスクヘッジに尽力。時折好フィードを見せるなど、出来は決して悪くなかった。
 
39 白崎凌兵 5
頻繁に動き回り、攻守に絡もうとする姿勢は立派。ただ、老獪な浦和にあしらわれ、空けたスペースを使われていた。
 
19 ミッチェル・デューク 5
いつも通りにパワフルで、いつも通りに精度が低い。とりわけ後半開始直後の決定機逸は、痛すぎるミスだった。
 
10 大前元紀 5
鄭の同点弾を演出したCKは見事。ただ、流れの中では沈黙した。2トップ頼みの攻撃では、持ち前の技術が活かされにくい。
 
FW
18 ピーター・ウタカ 5
ゴールに近い位置では脅威を与えたが、雑なフィニッシュでチャンスを潰す。終盤はボールを受けに引いてしまい、怖さが半減。
 
9 鄭 大世 5.5
迫力十分のヘッドで期待を抱かせたが……。周囲との距離感が悪く、ほとんどの時間帯でボールすら受けられない状態。
 
交代出場
MF
22 枝村匠馬 5
スルスルと最前線に顔を出すなど"らしさ"は見せたが、効果的だったのは75分のシーンくらい。守備では機能せず。
 
MF
20 竹内 涼 5
2トップへの縦パスは相手に読まれ、カットされるシーンが目立った。3失点目の場面では高木も時間も止められず。
 
DF
14 澤田 崇 5
得意のドリブルは不発。同サイドの鎌田とも明らかに連係不足で、クロスを上げることすらままならなかった。
 
監督
田坂和昭 5
後半は中盤が間延びして攻守のバランスを崩す。交代策も機能せず、劣勢を跳ね返す力は感じられなかった。

次ページ際立って活躍した選手はいないが、ほとんどが合格点以上のパフォーマンス。

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