【J1採点&寸評】仙台×湘南|荒れ模様の試合展開。両者とも決め手に欠き、第1ステージに続いてドロー

2015年09月19日 古田土恵介(サッカーダイジェスト)

理想的な前半と萎んだ後半。仙台は勝点1を手にしたが…。

【警告】仙台=梁(35分)、六反(67分) 湘南=菊池(24分)、菊地(65分)、高山(67分)、大槻(81分)
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】高山 薫(湘南)

【試合内容】
 開始直後から仙台は走力と球際の激しさを前面に出して湘南に流れを与えない。22分に湘南DF三竿のミスから怒涛の攻めに出ると、R・ロペスが右足で鋭いシュートを放つ。これはGK秋元のセーブに阻まれるが、それで得たCKからの流れのなかでPKをゲットすると、R・ロペスが冷静に流し込んで先制。その後もカウンター以外にチャンスらしいチャンスを与えずに前半を終えた。
 
 だが後半は一転、湘南ペースに。湘南は47分、仙台を一気に押し込んで手にしたCKから藤田征がシュート。DFに当たったこぼれ球に藤田祥が反応してボールをゴールネットに突き刺して同点とした。その後も前半のパフォーマンスが嘘のように攻勢を強めた湘南は仙台ゴールに襲い掛かる。だが、仙台DF陣の集中したプレーの前に追加点は奪えない。
 
 66分、そして70分に両チームのストレスが爆発して小競り合いになるなど、様々な面で白熱した試合はこのままドロー。第1ステージと同様に、勝点1を分け合う結果となった。
 
【チーム採点・寸評】
仙台 6
最終ラインと中盤でコンパクトなブロックを構築。前半は理想的な展開だったが、後半はインテンシティが落ちてしまった。
 
湘南 6
前半は仙台に上手くいなされてしまったが、後半になるとエンジン全開。"らしい"プレーを連発して相手を追い詰めた。
 
【仙台|採点・寸評】
GK
1 六反勇治 6
失点こそしたものの、終始危なげないパフォーマンス。エキサイトするシーンも見られたが、及第点と言える。
 
DF
25 菅井直樹 6
積極的な攻撃参加で右サイドを活性化。守備もそつなくこなし、慌てる時間帯はなかった。
 
2 鎌田次郎 6
渡部との抜群のコンビネーションで、地上戦では湘南攻撃陣を鎮圧。47分の失点シーンは責任を感じる必要はない。
 
3 渡部博文 6.5
身体能力の高さを活かして防波堤となり、ことごとくボールを撥ね返す。空中戦で負け知らずだった。
 
5 石川直樹 6
特筆すべき事項はないものの、それは危険をきちんと摘み取っていた証拠。安定感が素晴らしい。
 
MF
14 金久保順 5.5
足もとの技術は相変わらずの高さで、サイドで溜めを作っていた。しかし、少し淡泊なプレーも見受けられた。
 
17 富田晋伍 6
縦横無尽にピッチを走り回って、狩人の役目を果たす。90+1分にはハントから一気に前線へ持ち上がるも、最後の精度を欠いた。
 
10 梁 勇基 6
的確な舵取りが前半のチームの好調に直結。後半はやや無難なプレーが多かったが、ボールのあるところへ顔を出して味方を助けた。
 
7 奥埜博亮 6
サイドハーフで攻守に貢献。ただ、スペースに上手く入り込んだものの、あと一歩が足りない印象だ。
 
FW
11 金園英学 5.5
R・ロペスが存在感を発揮していただけに、消えている時間が余計に多く感じられた。ストロングポイントを活かし切れていなかった。
 
20 ハモン・ロペス 6.5
A・バイアに苦戦をするも、ダイアゴナルでサイドに流れて何度もチャンスを作った。PKも確実に決めたのも加点材料。
 
交代出場
FW
9 ウイルソン -
投入されると明らかにスタジアムの空気が変わる。ただ身体の重さは隠し切れず、復帰後初得点はならなかった。
 
FW
28 山本大貴 -
投入意図を理解して、ウイングバックが上がったスペースや湘南の最終ラインの裏を執拗に狙っていた。
 
監督
渡邉 晋 5.5
前半は理想的な展開で、事前準備と戦術浸透度の高さが窺えた。一方で、相手ペースとなった後半は上手く流れを引き戻せなかった。

次ページ湘南は高い修正力を見せて、後半は常にペースを握り続けた。

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