「対抗心はない」「テレビで囃し立てるから」若者は日韓戦に特別意識なし?現地で感じた世代間での温度差。韓国側の意見は…

2022年07月28日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

谷口は「お互いがお互いを意識しながらやっている国」と発言

球際で身体をぶつけ合う畠中。日韓戦の激しさを象徴するシーンの1つだ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 7月27日、E-1選手権の最終戦として、豊田スタジアムで行なわれた78回目の日韓戦は、ホームの日本が3-0で圧勝し、4大会ぶり2度目の東アジア制覇を達成した。

 キャプテンの谷口彰悟は決戦前日、「韓国はアジアのライバルとして、長年競い合ってきた国なので、絶対に勝ちたい。ましてや自分たちの国、僕らのホームでやれるので絶対にそこは勝たないといけないという気持ちがとても強い」と訴えた。

 その言葉通り、選手たちは試合開始と同時に、気持ちの入ったプレーを見せ、宿敵の大会連覇を3でストップさせることに成功した。

 谷口は「お互いがお互いを意識しながらやっている国」とも語っていたが、日本サポーターは韓国にどれほど特別な意識を持っているのだろうか。日韓戦のキックオフ前、現地豊田スタジアムで老若男女に質問をぶつけると、特に年配の方からは熱い言葉が返ってきた。

「昔から見ているから、やっぱり勝たないといけない試合。特別な意識がある」
「絶対に負けられない」
「そりゃ歴史が詰まってるからね。1967年のメキシコ五輪の予選で、国立競技場で3-3で引き分けた日韓戦。そこから続いている。木村和司がFKを決めたメキシコ・ワールドカップの予選(1985年)もある。10.26。振り返ればそういう歴史がたくさんあるから。やっぱり我々くらいの年代はたくさん思いがあると思う。60歳から上くらいかな」

 一方、若い世代でもバチバチに火花を散らすファンは、もちろん一定数いたものの、全体的には消極的な声が多かった。
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「あんまり対抗心みたいなのものはない」
「上の世代に比べたら多分薄れている感じはする」
「今までの相手よりは勝ってほしいなっていうくらい」
「テレビで囃し立てるから、そういう気持ちになる」
「向こうは気合入れてくるかな、くらい。こっちが思うより向こうのほうが意識している」

 これはあくまで当日居合わせた人にランダムに伺ったものであり、今回掲載したものが世代を代表する意見ではない。サッカーへの熱量の違いも大きく影響してくるだろう。ただ、今回取材したなかでは、傾向として、上の世代と20代以下を中心とした若い世代での日韓戦への温度差は、如実に感じた。

 ちなみに韓国側の意見はどうなのかと、アウェー応援エリアに向かったが、試合時でも20人から30人ほどの集客に留まったなかで、試合開始1時間前の時点ではほとんどもぬけの殻だった。それでも若い男性2人に声を掛けると、揃ってこの日1、2を争う熱いコメントを寄せてくれた。

「ダービーみたいなものだから特別な意識がある。1番燃えるというか、やる気が出る。負けるとムカつく」
「やっぱりライバルだから、これだけ小さな大会だとしても勝たないといけない。特別な気持ちがある。近い国だし、レベルも近いし、目ざしているところも近いので。それで『もっと頑張ろう』という気持ちが出るんじゃないかなと思う」

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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