自分のことよりチームのために。結果にこだわる鹿島・土居聖真。横浜との大一番は「どれだけ自分たちのサッカーができるか」

2022年07月27日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「内容より結果にフォーカス」

今季から鹿島の主将を務める土居。近年はタイトルから遠ざかっているだけに、とにかく「結果」にこだわって戦う覚悟だ。(C)SOCCER DIGEST

 今季の鹿島アントラーズは、新監督にスイス人のレネ・ヴァイラーを招聘。コロナ禍でシーズン当初は岩政大樹コーチが代行監督を務めたが、3月に来日を果たした新指揮官は、同15日のルヴァンカップ・グループステージ第2節の大分トリニータ戦から指揮を執っている。

 新体制のもと、新たにキャプテンに就任した土居聖真は「臨機応変にあれもこれも、というよりは、監督が求めていることを忠実にやる」ことを意識しているという。

「僕個人で言えば、もっともっと監督が求めていることをする必要がある。自分のしたいプレー、得意なプレーより、監督がどう求めているか、もっとこうしてほしいというところをもっと出していかないと、いけないのかなと思っています」

 指揮官の要求と、自分のやりたいこと。両者のジレンマは「多少は感じている」と認めつつ、それでも土居の中で優先順位は明確だ。

「自分がしたいプレーだったり、やりたいことを我慢して勝てるなら、それでいい。それで優勝できるなら、そっちのほうが絶対にいいと思う」

 土居は「我慢」という言葉を口にしたが、すぐに否定する。

「監督が求めていることを100パーセント出そうとしているだけなので。別に我慢しているわけではないですね。なるべく監督が求めていることを出したい。どの監督のもとでも、我慢とかはない。本当に、結果を出すために、優勝するために、もっともっとチームのために戦えれば。力になれればと思っています」
 
 近年の鹿島はタイトルから遠ざかり、毎シーズン、指揮官が変わるなかで土居自身も難しさを感じているかもしれない。そのなかでも"アントラーズらしさ"を表現するために重視してきているものがあるとすれば?

「内容がどうこうより、今は結果。結果が出るには、内容が良くないといけないけど、内容より結果にフォーカスするのが、このクラブだと個人的には思っています。そういうところが、鹿島らしさなのかな、と」

 タイトル奪還を見据え、重要な一戦が7月30日に控える。J1第23節で、横浜F・マリノスと敵地で対戦。横浜は勝点45で首位に立ち、2位の鹿島が勝点5差で追う。

「監督は相手に合わせたりするサッカーはしないというか、考えがない。自分たちがどれだけ、自分たちのサッカーができるかと言ってもらっているので。相手がマリノスだからっていうことはしないですね」

 横浜の喜田拓也は、鹿島に対し「間違いなく力がありますし、各個人のクオリティもずっと変わらない。簡単な相手ではないと思います」と警戒を強める。1993年のJリーグ誕生から唯一続く"オリジナル10"同士の伝統の一戦。激戦必至のビッグマッチで、土居は"鹿島魂"を感じさせるプレーを見せてくれるはずだ。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

[試合情報]
明治安田J1リーグ第23節
リミックスでんきDAY
横浜F・マリノス vs.鹿島アントラーズ
2022年7月30日(土)19 時キックオフ/日産スタジアム
DAZN独占配信

【PHOTO】鹿島アントラーズの歴史を彩った名手たちと歴代ユニホームを厳選ショットで一挙紹介!
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事