【総体】「この夏、変わる」古都の強豪・東山が前回大会より早いベスト16で敗退。目ざすは冬の日本一、軸となる選手の自覚がカギ

2022年07月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

PK戦の末に3回戦敗退

C大阪加入内定の東山の阪田(10番)。真の実力を見せつけられず、今大会は1得点に終わった。(C)SOCCER DIGEST

[インターハイ3回戦]矢板中央1(5PK4)1東山/7月26日(火)/鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム

 古都の強豪は、夏に"変わって"日本一に再挑戦する。

 セレッソ大阪加入内定のU-18代表候補MF阪田澪哉(3年)を擁する東山(京都)は、3回戦で矢板中央(栃木)に惜敗。0-1とビハインドを負って迎えた後半残り1分に、MF清水楓之介(3年)が右サイドから中央へのドリブル突破から、左足のコントロールショットでネットを揺らし、同点弾で歓喜をもたらしたが、PK戦の末に敗退となった。

 昨年度はインターハイ、選手権とどちらも8強入り。プレミアリーグを含めて年度3冠を成し遂げた青森山田(青森)にインターハイ、選手権ともに敗れたが、5失点完敗の夏の対戦から、冬は先制しての1-2の敗戦と少しずつその差を縮めてみせた。
 
 今年は、その青森山田戦で躍動した阪田や、ともにU-17日本高校選抜のDF新谷陸斗(3年)主将と司令塔のMF真田蓮司(3年)、U-16代表候補歴を持つDF仲里勇真(3年)ら主力の半数を残す。有力校のひとつに挙げられ、インターハイ地区予選は決勝でハットトリックを達成した阪田の活躍もあって京都2連覇。全国制覇を目ざして開催地の徳島に乗り込んできた。

 初戦はU-17代表MF廣井蘭人(3年)らこちらもタレントが揃う帝京長岡(新潟)に4-1で逆転勝ち。弾みをつけたが、3回戦では矢板中央が得意とする空中戦の応酬に付き合ってしまい、保持しながら攻める自分たちの流れに持っていくことができない。

 前半4分にロングスローから先制点を献上。その後もハイサイドを取られてCKやロングスローを与え、ゴール前のシーンを作られてしまう。2度クロスバーに助けられたこともあって1点差を維持したが、受け身の時間帯が長かった。

 相手の運動量が低下した後半に反撃を加速。右ウイングバックからシャドーへポジションを上げた阪田がワンツーからシュートを放つ。「自分にボールが入ったらアシストでも、絶対に点を取れるというのは目ざしています。このチームを日本一にする。自分が勝たせる選手にならないといけない」と語っていたエースは、その後も崩しや抜け出しを狙った動きを見せた。だが、プロ内定選手の実力を見せつけることはできなかった。
 

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