【CLタレント名鑑】9月16日のチャンピオンズ・リーグで最も輝きを放った3選手

2015年09月17日 遠藤孝輔

自らのゴールでチームを勝利に導いた世界屈指のストライカー。

フッキ/ブラジル代表。1986年7月25日生まれ(29歳)。180センチ・85キロ。ヴィトーリア→川崎→札幌→東京V→ポルト→ゼニト。 (C) Getty Images

フッキ(ゼニト/FW
先発(フル出場) 2得点・0アシスト
 
 30メートル超を持ち上がるドリブルから先制点に結び付くアシストを決め、2点目の起点にもなったダニーや、同点に追いつかれた後に殊勲の決勝ミドルを突き刺したヴィツェル以上に、バレンシア対ゼニトでインパクトを放ったのがフッキだ。
 
 9分、エリア内の左45度からファーサイドに低弾道ショットを叩き込み、44分にはCFジューバから落としのヘディングを受けると、エリア外から左足を一閃。ネットを突き破らんばかりのキャノン砲を放ち、劣勢だったチームの守備陣の奮闘に報いる2点目を挙げてみせた。
 
 自陣のエリア付近まで下がるなど守りに力を注ぎながらも、攻撃に転じた際のエネルギーは凄まじく、高い位置でFKを獲得するなど、その活躍ぶりはフィニッシュの局面以外でも際立っていた。
 
◇グループH
バレンシア 2-3 ゼニト・サンクトペテルブルク
得点者:バ=カンセロ(55分)、A・ゴメス(73分) ゼ=フッキ(9分・45分)、ヴィツェル(76分)
 
トーマス・ミュラー(バイエルン/FW
先発(フル出場) 2得点・0アシスト
 
 ブンデスリーガの開幕4戦で6発と好調のミュラーが、CLの舞台でも勝負を決する違いになった。
 
昨シーズン、A・マドリーとユベントスが不覚を取った難攻不落のカライスカキス(オリンピアコスの本拠地)で、先制点を叩き出しただけでなく、92分には得意のPKでギリシャ王者に引導を渡してみせたのだ。
 
 試合の均衡を破った1点目は、右サイドからのクロスがそのままファーサイドのネットに吸い込まれるラッキーな一発。とはいえ、そのツキを呼び込むに相応しい貢献を見せてもいた。
 
 神出鬼没の動き出しを繰り返し、狭いスペースをこじ開けようと奔走。何度もドリブル突破を試みたD・コスタのような派手なプレーとは無縁でも、相手DFにとっては常に嫌らしい存在となっていた。
 
 まさに"らしさ"を発揮したミュラーは、UEFA選出のマン・オブ・ザ・マッチにも輝いている。
 
◇グループF
オリンピアコス 0-3 バイエルン
得点者:ミュラー(52分・90+2分)、ゲッツェ(89分)
ジュニオール・フェルナンデス(ディナモ・ザグレブ/FW
先発(74分交代) 1得点・0アシスト
 
 アーセナルを2-1で退ける金星を挙げ、CL本選では1999年9月以来となる勝利を掴んだディナモ・ザグレブからの選出だ。4-3-3の左ウイングで先発したチリ代表のストライカーで、58分に決勝点となるヘディングを叩き込んだ。
 
 その殊勲弾を叩き込んだだけではない。ジルーの退場で数的優位に立った40分以前から、頻繁にボールを呼び込んでは縦に速いダイナミックな攻撃を先導。24分に生まれた先制点の場面では左サイドから中央部に侵入して、ピバリッチが攻め上がるスペースを作り出し、その左SBの先制点を陰ながら演出した。
 
 ポジションを右ウイングに移した60分以降の動きも良く、2-0とリードしていた74分にピッチを退いた際は、観客から大歓声を送られていた。

◇グループF
ディナモ・ザグレブ 2-1 アーセナル
得点者:デ=ピバリッチ(24分)、フェルナンデス(58分) ア=ウォルコット(79分)
 
文:遠藤孝輔
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