インターネットで出回った動画は衝撃的だった。

　イタリアの警察官が路上で男性たちを取り調べている。ひとりの女性警官は、車の座席に銃口を向けていた。そのそばでは、別の警察官に拘束される黒人男性の姿。その男性は、ミランのティエムエ・バカヨコだった。

　バカヨコが取り調べられたのは、彼に非があったからではない。『ANSA通信』などによると、７月２日夜に外国人同士のもめ事が発生。銃声らしき音も聞かれたとの知らせで、ダークカラーのSUVに乗った２人の男性――ひとりは緑のTシャツを着た黒人男性――が捜査対象となったという。

　そして翌３日朝、地元警察は条件に合う車両を発見して取り調べた。それが前述の場面だったようだ。報道によると、警察はすでにミランに釈明済み。ただ、SNSでは「人種差別的」「サッカー選手と分かったら解放するのか」など、様々な方面から批判の声が上がった。

【動画】バカヨコが警察の取り調べを受け、同乗者には銃口が向けられる衝撃映像

　中には「バカヨコは新たなフロイドになるところだった」と、ブラック・ライブズ・マター運動のきっかけのひとつとなったアメリカのジョージ・フロイドさん事件を想起させたとの声もあったという。

　ただ、ANSAによると、地元警察は「論外だ」と反論した。

「バカヨコともうひとりの様相が偶然ながら完璧に一致していたために取り調べをした。そして当然、無関係の人物だったと分かったときに取り調べを終えた」

　チェルシーからレンタル中のバカヨコを巡る"事件"は、英国メディアなどでも報じられている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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