降格圏に沈む清水、巻き返しへ光明は見えているのか? 失点の時間帯は明らかな課題だが得点力に不安は少ない

2022年07月18日 前島芳雄

前後半残り15分の失点は修正が急務

清水は新監督就任以降、リーグ戦で2勝1分3敗。はたして光明は見えているのか。(C)SOCCER DIGEST

[J1第22節]清水1-2浦和/7月16日/IAIスタジアム日本平

 今季初の連勝を目ざし、「今週、良い準備ができていた手応えがあった」(ゼ・リカルド監督)というなかで臨んだ浦和戦。だが結果は、前半最後の時間帯で失点してしまう課題を改善できず、42分に先制されると、後半は攻勢に出たなかで73分にオウンゴールで失点。79分に山原怜音が直接FKを決めて一矢報いたが、同点ゴールにつながる決定機は作りきれず、悔しい敗戦に終わった。

 指揮官がリカルド監督に代わった6月7日以降、リーグ戦は2勝1分3敗。17位といまだ降格圏から脱出できてはいないなかで、はたして光明は見えているのか。今節の試合内容を通して検証したい。

 まず明らかな課題となっているのは、失点の時間帯だろう。新監督就任後、勝てなかった4試合のうち、18節のC大阪戦は先制しながら76分に耐えきれず同点弾を決められ、1-1のドロー。19節の横浜戦(●3-5)は、先制されても同点に追いついていたなかで、前半アディショナルタイムの45+2分での失点が非常に痛かった。20節の神戸戦(●1-2)でもよく粘っていたが、本当の土壇場、90+2分に勝ち越し点を決められてしまった。そして今節の浦和戦も、42分に先制されて苦しい展開となっている。

 前後半とも、残り15分の疲れが出てくる時間帯はどのチームも失点が多いが、清水は総失点のうち54パーセントがこの時間帯なので、修正が欠かせない。
 
 今回に関しては「前半は浦和陣内での我々の守備がうまくハマらなかった」(リカルド監督)という面があり、引いて守る時間が長くなって疲弊も生じた。だが後半は、そこを修正してボール支配率を逆転することができた。

 前からハメていく守備に関しては、試合を重ねるごとに手応えを掴めており、その成果として前節の名古屋戦(〇2-0)、浦和戦と続けて90分間のポゼッション率で相手を上回っている。これは今季前半戦では見られなかった要素だ。

 自分たちがボールを支配する時間を増やせれば、暑いなかでも守備陣の体力的な消耗を抑えることができ、集中力も維持しやすくなる。カウンター対策にも非常に気を使っている新指揮官が目ざすのも、そうしたアプローチで終盤の失点を減らすことだろう。今後その結果が表われてくるかどうかに注目したい。
 

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