【藤田俊哉の目】最大の問題は決定力不足ではなく、海外組を脅かす存在がいないこと

2015年09月04日 サッカーダイジェスト編集部

代表チームの決定力に満足している国なんてない。

シュート数の割にゴールの数が少ない印象だが、藤田氏はそれよりもむしろ、国内組の突き上げのなさに危機感を覚えるという。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 ロシア・ワールドカップ・アジア2次予選のカンボジア戦で、日本は一方的な内容で3-0の勝利を収めた。元日本代表の藤田俊哉氏は、このゲームをどう評価するのだろうか。
 
【PHOTOギャラリー】日本3-0カンボジア
 
 試合前から日本のワンサイドゲームになることは想像できていたけど、これほどのシュートを浴びせることになるだろうとは正直思っていなかった。
 
 90分間でシュート34本。たくさんシュートを打ったんだなって感心する。単純計算しても、約2分に1本のペースでシュートを打ったのかな。実際のプレー時間は70分ぐらいだろうから、おそらく1分50秒に1本の割合でシュートシーンを迎えていることになる。
 
 あえて、カンボジアのGKの質については触れないけれど、シュート数に対して3回しかゴールネットを揺らせなかったのは少し物足りない数字だったかもしれない。だからといって、それで「日本は決定力不足だ」と言ってしまうのは、僕はちょっと違うんじゃないかなって感じている。
 
 この試合で日本は、ミドルレンジから本田圭佑、吉田麻也が積極的にシュートを放ち、しっかりゴールをこじ開けた。引いた相手に対しては、サイドの揺さぶりとミドルシュートが効果的であることは世界共通のキーワードだから。そこは評価すべき点だと思うし、そもそも、代表チームの決定力に満足している国なんてないのだから。
 
 だからビッグクラブはつねに優秀なストライカーの獲得を狙っている。世界的にも希少価値が高いからこそ、どのポジションよりも年棒が高いんだ。
 
 決定力不足というのは、万国共通でずっと永遠のテーマだと思っていい。もちろんメディアやサポーターからは、どんどんゴールを求める声を上げていけばいい。

次ページチームにとって大事なゴールを奪った本田。それがなによりの「エース」の証明。

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