【川崎】「強い鹿島」に屈して今季初の3連敗――。優勝は遥か遠く、風間体制の終焉は近い

2015年08月30日

川崎の窮地を救う「スーパーヒーロー」は、最後まで現われず。

攻撃が上手く機能せず、3連敗に肩を落とす川崎。残り8試合で首位・鹿島との勝点差11。第2ステージ優勝の芽は潰えた感も。写真:サッカーダイジェスト

 
 もどかしさが募る3連敗だ。鹿島がゴールを決める度、等々力陸上競技場は鹿島サポーターの大声援がこだました。終わってみれば、ホームの川崎は第2ステージ首位の鹿島に1-3と完敗。相手は6年ぶりの6連勝という屈辱付きだ。
 
 ハーフタイムのイベントでは、串田アキラさんがアニメ『キン肉マン』の主題歌、『キン肉マンGo Fight!』を熱唱して会場を盛り上げたが、肝心の試合は後半に入ると「Go! Go! ANTLERS!」状態で、川崎の窮地を救う「スーパーヒーロー」は、最後まで現われなかった。
 
 この敗戦により、首位の鹿島と川崎の勝点差は11。残り8試合で勝点11差の逆転は、他チームの勢いと川崎の現状を踏まえると現実的に極めて難しく、第2ステージ優勝の芽は潰えたとも言える。もっとも、年間勝点では3位のFC東京と勝点9差。チャンピオンシップ出場圏内の3位に滑り込む余地はまだ残されている。
 
「流れの悪さを象徴している。どうにもこう、怖い攻撃ができていないので苦しいですね。相手からしたら怖くないというか……」
 
 そう苦悩を吐露したのは、キャプテンの中村憲剛だ。
 
「なにをするか分からないような攻撃になっていない。(川崎が)良い時や面白い崩しができている時は、ボールが入った時にそれぞれがなにをするとか、どこに入るとか、どこにボールを出すとかが共有されていて、相手は人数がいても止められない」
 
 この日の川崎は4-3-3を採用し、序盤こそ鋭い攻撃が光ったものの、尻下がりに迫力を失った。以前のようなテンポの良いパスワークもなければ、ゴールの匂いもしない。後半、杉本健勇がペナルティエリア内でフリーの状態からシュートを放ち、大きく枠を外した場面は、この日の雰囲気を具現化したかのようだった。

次ページ長期離脱から復帰した小林も、チーム状態について不安を漏らす。

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