平畠啓史チョイス“至極の11人”|風格が漂いつつある上田綺世。爽快な満田誠は見ていて楽しい【J1月間ベストイレブン・5月】

2022年06月04日 平畠啓史

目立たないビッグプレーを随所にみせた常本

平畠氏がセレクトした5月のJ1月間ベストイレブン。MVPは鹿島の上田綺世を選出。(C)SOCCER DIGEST

 芸能界屈指のサッカー通で、J1からJ3まで幅広く試合を観戦。Jリーグウォッチャーとしておなじみの平畠啓史氏がセレクトする「J1月間ベストイレブン」。5月の栄えある11人はどんな顔ぶれになったか。MVPには、鹿島のストライカーが選出された。

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 GKは横浜F・マリノスの高丘陽平。16節を終わって首位に立つ横浜は攻撃力が注目されがちだが、高丘の活躍は欠かせない。ファインセーブはもちろん、正面でキャッチすることも多いのはポジショニングに優れている証拠。フィードも素晴らしく、近くのディフェンダーやボランチへのパスだけでなく、前線へのフィードが見事。

 フリーな選手が見えているというだけでなく、自分たちのフォーメーションの特性と相手のフォーメーションが頭の中にしっかりとインプットされていることが、あのフィードを可能にしている。攻撃の起点としての活躍も見逃せない。

 3バックの中央にはセレッソ大阪のマテイ・ヨニッチ。5月に稼いだ勝点13は横浜と並んでトップのC大阪。その守備陣の要は間違いなくヨニッチ。対人に強く常に安定したパフォーマンスを披露することができる。C大阪の5月好調を支えた一人である。

 右には鹿島アントラーズの常本佳吾。目立つようなプレーは多くないが、チームへの貢献度は非常に高い。14節・浦和レッズ戦の前半アディショナルタイム、キャスパー・ユンカーのパスに反応して、関根貴大がペナルティエリアに侵入しようとしたところを、外からカバーして身体を入れたシーンや、51分、ユンカーのパスを受けた江坂任に対し、フルスプリントで身体を寄せボールを奪いきったシーンなど、目立たないビッグプレーを随所にみせた。
 
 左にはFC東京の小川諒也。15節・清水戦の2ゴールだけでなく、鹿島戦ではワンツーからゴールを決めた渡邊凌磨へライン間に見事なパスを通すなど、攻撃センスを披露。活躍の舞台を海外へと移す小川の今後の活躍にも期待したい。

 ボランチにはC大阪の奥埜博亮。途轍もない運動量で両ゴール前に姿を見せる献身性のみならず、14節の"大阪ダービー"では2ゴールと決定力の高さも見せた。常にベストイレブンに入れたい選手の一人である。

 そして、ボランチではないがもう一人は、柏レイソルのマテウス・サヴィオ。技術の生かし方、技術を発揮する場所やタイミングを知る選手。かつて、レアンドロ・ドミンゲスによって酒井宏樹が成長したように、今季の細谷真大の成長にM・サヴィオの存在が大きく影響しているに違いない。
 

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